中国の大学で「マイクロ専攻」が人気 複合型人材を育成

中国の大学で「マイクロ専攻」が人気 複合型人材を育成

新華社 | 2025-06-10 20:44:00

実践授業に参加した内モンゴル師範大学「スマートコミュニケーション」マイクロ専攻の学生。(フフホト=新華社配信)

 【新華社北京6月10日】中国の多くの大学で、週末に「マイクロ専攻」を学ぶことが流行している。マイクロ専攻は特定の専門分野や研究、中核的資質・能力に関する小規模で質の高いカリキュラム群で、短い履修期間、柔軟な受講時間、多様な教授法などの特徴を持つ。最先端分野や学際的な内容が多く、融合と実践を重視し、複合型人材の育成を目指している。

 内モンゴル師範大学では、従来の専攻分野に人工知能(AI)を融合させたマイクロ専攻を開設し、横断型学習を支援している。インターネット・ニューメディア専攻2年生の杜宛蓉(と・えんよう)さんは「学内の先生だけでなく、学外の専門家も教室にいるので、視野が大きく広がった」と評価した。杜さんは主専攻に加え、週末にスマートコミュニケーション理論やデータ分析・マイニングなどの授業も受けている。

 安徽黄山学院観光学院が設けたマイクロ専攻「民宿ヘルスケア・デジタルオペレーション」では、イラスト、茶芸、客室サービスなど、より実践的な学びを得られる。観光学院共産党委員会の姚李忠(よう・りちゅう)副書記は、民宿に関するマイクロ専攻では経営者と交流する機会があり、多くの学生が授業の中で就職の方向性を決めたと説明する。

安徽省池州市人力資源サービス産業パークで地元の大学生に半導体産業について解説する技術者。(2024年11月10日撮影、池州=新華社記者/劉勇貞)

 学習内容が豊富で、受講時間や形式も多様であることから、マイクロ専攻は社会人にも注目されている。北京林業大学の自然教育マイクロ専攻を受講した馬(ば)さんは「受講希望者がとても多く、私は2回目でやっと申し込むことができた。クラスのグループチャットはすぐに120人を超えた」と振り返り、「以前から自然生態学に興味があった。より包括的で深い専門知識とスキルを習得し、将来の多様なキャリア選択に役立てたい」と語った。

 中国教育部はこのほど、大学生の就業能力向上計画を実施し、全国で千件のマイクロ専攻または専攻課程群、千件の職業能力育成課程の開設を推進するという通知を出した。

 人材育成を促進し、産業発展の流れに対応するマイクロ専攻は、学問分野や専攻の壁を打ち破る大きな試みとなっている。内モンゴル師範大学新聞(報道)伝播学院共産党委員会の宋磊(そう・らい)書記は、マイクロ専攻の授業に新技術や新産業を導入することで、学生は業界の発展動向にいち早く触れ、知識とスキルの不足を補い、就職しやすくなると説明。また企業もマイクロ専攻を通じて人材育成に深く関与し、専門教育と職業的ニーズの「双方向のマッチング」を実現できると指摘した。(記者/沈氷潔)

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