中国吉林省、わらを用いた保護耕作で肥沃な土壌の黒土を保護

中国吉林省、わらを用いた保護耕作で肥沃な土壌の黒土を保護

新華社 | 2025-06-03 10:48:45

 吉林省四平市梨樹県で不耕起種まき機を運転して種まき作業を行う農家。(5月12日撮影、長春=新華社配信)

 【新華社長春6月3日】中国東北地域に広がる黒土地帯では6月に入り、春の農作業がおおむね終了し、吉林省の穀物生産が盛んな県では、地面に敷き詰められたわらの間からトウモロコシの苗が顔を出し始めた。同省では今年、差別化補助金などの方法を通じて、「保護耕作」技術をより質の高い形で普及、応用し、多くのわらを畑に残して貴重な黒土を保護するよう、多くの農家に指導している。

 保護耕作は、地表をわらで覆い、全く耕さないか一部耕した畑に種まきを行う黒土保護技術の一つ。東北地域ではすでに長年にわたり普及している技術で、わら被覆ストリップ(溝切)耕うん栽培、わら被覆畝立て栽培など複数の技術モデルが確立されている。

 同省は今年、保護耕作の普及面積をさらに増やすため、中西部の穀物主要生産地域を重点とし、「高質多補(質の高さに合わせて補助金を増やす)」制度を試験的に実施している。例えば、トウモロコシ作物の補助金基準をわらの被覆量に応じて1ムー(約667平方メートル)当たり25元(1元=約20円)、50元、70元の3つの等級に分けた。

 差別化補助金方式により、各地で農家がわらの被覆量を増やし、より質の高い保護耕作を行う流れを作った。

 同省は今年、トウモロコシ作物を保護耕作の普及と利用に焦点を当てつつ、大豆や雑穀、雑豆(大豆以外の豆類)などその他の作物でも保護耕作技術の利用を推奨している。実施総面積は昨年より200万ムー(13万3千ヘクタール)増え4千万ムー(約267万ヘクタール)に達したという。(記者/薛欽峰)

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