チワン族の山歌、若い世代に新たなブーム 中国広西柳州市

チワン族の山歌、若い世代に新たなブーム 中国広西柳州市

新華社 | 2025-05-30 13:37:15

広西チワン族自治区柳州市で行われた魚峰歌圩の会場。(南寧=新華社配信)

 【新華社南寧5月30日】中国広西チワン族自治区柳州市の魚峰公園では5月になると、各所に歌台が設けられ、多くの若者がスマートフォンでライブ配信しながら、山歌(民謡の一種)の掛け合いに参加している。

 人々は長年、チワン族に伝わる伝説の歌仙「劉三姐」をたたえ、山歌を歌い継ぐため魚峰山の麓に集まるようになった。山歌の掛け合いや交流が盛んに行われ、自然と人々が集う歌謡行事「魚峰歌圩(かう)」が生まれ、現在は中国有数の規模と活気を持つ、伝統的な山歌の歌大会となっている。

 「劉三姐」伝説は唐代に始まり、聡明で山歌の創作と歌唱に優れた女性が地主に結婚を迫られて川に身を投げ、仙女となって歌の魂に姿を変えたと伝えられている。そのため、歌に優れ、権勢を軽蔑し、自由を尊び、不正に反抗する者の象徴として「歌仙」と敬われ、長きにわたって地元の人々が知恵と自由をたたえる存在となっている。

広西チワン族自治区柳州市で行われた魚峰歌圩の会場。(南寧=新華社配信)

 柳州市無形文化遺産保護発展協会の責任者によると、この数年は山歌の担い手が若者に広がり、「魚峰歌圩」はネットと現地の両方で人気を集めている。地元では魚峰山の麓に歌台を設け、観光客が山歌の掛け合いとライブ配信を楽しめるようにしている。また、人気観光スポットに「劉三姐」伝説の要素を取り入れ、観光客の体験を充実させている。

 同自治区は山歌文化の強みを生かし、保護と継承をしつつ発展させている。多くの若者が山歌の継承や普及活動に加わるようになり、長い歴史を持つ山歌が新たなトレンドになっている。(記者/農冠斌)

広西チワン族自治区柳州市の魚峰歌圩に参加する若者。(南寧=新華社配信)

広西チワン族自治区柳州市で行われた魚峰歌圩の会場。(南寧=新華社配信)

広西チワン族自治区柳州市の魚峰公園で山歌を歌う市民や観光客。(南寧=新華社記者/黄孝邦)

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