中国とＡＳＥＡＮ、自由貿易協定「３・０」への交渉妥結

中国商務部。（北京＝新華社記者／李賀）

　【新華社北京５月２１日】中国商務部は２１日、中国と東南アジア諸国連合（ＡＳＥＡＮ）１０カ国の経済貿易担当閣僚が２０日に開いたオンライン特別会合で、双方の自由貿易協定（ＦＴＡ）へ新たに９分野を加えた「３・０バージョン」への改定交渉が全面的に妥結したと発表した。

　交渉は２０２２年１１月に始まり、２年近くにわたり９回の正式交渉を実施。２４年１０月に実質的な協議を終えていた。今回、各国の閣僚による調整と後押しにより交渉は全面的に妥結し、協定は調印に向け重要な一歩を踏み出した。

　商務部の担当者によると、３・０バージョンは包摂的、近代的、包括的、互恵的な協定となり①デジタル経済②グリーン（環境配慮型）経済③サプライチェーン相互接続④標準技術法規と適合性評価手続き⑤税関手続きと貿易円滑化⑥衛生と植物検疫措置⑦競争と消費者保護⑧中小・零細企業⑨経済技術協力－の９分野を新たな章として追加。新たな情勢下での、より幅広い分野、より深いレベルの地域経済統合の推進に寄与し、双方の産業チェーン・サプライチェーンの深い融合を力強く促進する上で画期的な意義を持つ。

　今後は各国が国内の批准手続きを積極的に進め、年内の議定書の調印を目指す。