中国で「爆買い」 外国人観光客の買い物人気

中国で「爆買い」 外国人観光客の買い物人気

新華社 | 2025-05-20 19:37:45

天津市の古文化街を散策する外国人観光客。(5月3日撮影、天津=新華社記者/李然)

 【新華社南京5月20日】中国で外国人観光客の「中国旅行」ブームが続く中、「中国でのショッピング」が世界的に新たな消費トレンドとなり、多くの外国人が買い物を目的に中国を訪れるようになっている。

 江蘇省蘇州市観前街の古風な趣のある商店街で買い物をするフランス人観光客のディーン・デュボアさんのスーツケースには、漢服(中国の伝統衣装)や刺しゅうのスカーフ、手作りの茶器、新型スマートフォンがぎっしりと詰め込まれている。ディーンさんは「中国での『爆買い』は今回が2度目。毎回もっと買いたくなる」と語った。

 中国国家移民管理局のデータによると、今年の労働節(メーデー)連休(5月1~5日)期間の外国人の出入境者数は前年同期比43・1%増の111万5千人に達した。2024年通年では前年比96%増の延べ2694万人で、インバウンド客(入境観光客)による総消費額は77・8%増の942億ドル(1ドル=約145円)に上った。

 オンライン旅行大手、携程(トリップドットコム)の統計によると、メーデー連休期間中のインバウンド旅行の予約数は前年同期比で、上海が約2・4倍、深圳が2・9倍、義烏が60%増となった。多くの外国人客が中国で観光とショッピングを楽しむスタイルを取り始めている。

深圳文錦渡口岸(通関地)で、観光客が携行する出境時の免税品を検査する税関職員。(4月30日撮影、深圳=新華社記者/毛思倩)

 電子商取引(EC)大手アリババグループ傘下の電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」が公開したデータによると、今年4月前半、訪中観光客によるアリペイの決済額は前年同期の2・5倍に増加した。うち米国人観光客によるアリペイ決済額は3倍となった。一部の米国人観光客は、人気の中国製品を専門に買い付ける「代理購入グループ」を結成しているほどだ。

 江蘇省社会科学院社会政策所の張春竜(ちょう・しゅんりゅう)所長は、中国製品のハイテク化と製造サプライチェーンの継続的な整備が、多くの中国ブランドの世界市場での魅力を高めていると指摘。「品質とコストパフォーマンスの高さが、外国人観光客が中国で掘り出し物を探し求める要因になっている」と語った。

 免税政策の見直しも消費意欲を一段と刺激している。商務部などは最近、出国時の免税手続きの最低購入金額を500元(1元=約20円)から200元に引き下げ、現金還付の上限を2万元に引き上げたほか、外国人客の多い地域への免税店増設、免税品の税還付を購入時に受けられる「即買即退」サービスの全国展開など、一連の利便増進措置を打ち出した。

深圳市の商業施設で電子製品を選ぶ顧客。(4月30日撮影、深圳=新華社記者/毛思倩)

 ビザ免除政策の継続的な拡大で、観光客は中国でのショッピングをより満喫できる。中国国家移民管理局が4月に発表したデータによると、240時間トランジットビザ免除政策の実施以降、全国のインバウンド客数は前年同期比40・2%増加し、うちビザ免除によるインバウンド客が71・3%を占めた。周辺諸国の観光客の中国での買い物熱が高まり、韓国では一部の若い消費者の間で「週末は中国へ」という弾丸ショッピングブームが起きるほどになっている。

 決済環境の整備も、外国人のショッピングブームの押し上げに不可欠な要素となっている。海外クレジットカード対応のPOS端末が普及し、多くの地域では「タッチ決済」も実現した。海外のクレジットカードをアリペイや微信支付(ウィーチャットペイ)など国内の電子決済サービスに紐づけ国内での消費を可能とする「外卡内綁」や海外電子ウォレット(財布)の国内利用を可能とする「外包内用」といった方法も進化している。北京、上海、深圳などの大都市では、多言語版の税還付ガイドと免税手続きができる店舗をまとめた電子地図を導入、外国人観光客が安心して買い物を楽しみ、簡単に免税手続きができるようにしている。(記者/何磊静)

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