16日、タイ・ラヨーン県で行われた重慶長安汽車タイ工場の生産開始式典。(ラヨーン=新華社記者/孫瑋彤)
【新華社ラヨーン5月20日】中国自動車メーカーの重慶長安汽車が初めて海外に設立した完成車工場が16日、タイ・ラヨーン県で生産を開始し、同社世界累計2859万台目となる車両をラインオフした。投資総額は約100億バーツ(1バーツ=約4円)。第1期の年産は10万台で、20万台への拡大を計画する。
生産開始式典に出席したタイのエーカナット工業相は、長安汽車がタイへの投資を決めたことは、タイ市場に対する中国企業の信頼感を示すと同時に、両国の友情を深めていると評価した。
16日、重慶長安汽車タイ工場の生産開始式典であいさつするタイのエーカナット工業相。(ラヨーン=新華社記者/孫瑋彤)
タイ投資委員会(BOI)のナリット・テートサティーラサック事務局長は新工場の稼働について、電気自動車(EV)産業の発展を促進し、世界的なEV生産拠点を構築するというタイのビジョンの実現を後押しすると述べた。
長安汽車の朱華栄(しゅ・かえい)董事長は、タイ工場の本格的な稼働は、同社が製品の輸出から産業の海外進出への飛躍を実現した表れだとし、タイ工場が海外のベンチマークになるよう取り組み、サプライチェーン全体で将来的に3万人以上の雇用を創出する見通しを示した。
16日、重慶長安汽車タイ工場の生産開始式典であいさつするタイ投資委員会のナリット・テートサティーラサック事務局長。(ラヨーン=新華社記者/孫瑋彤)
ここ数年、多くの中国自動車メーカーがタイに進出し、自動車を販売するだけでなく、タイの自動車産業全体の高度化をけん引している。東南アジア地域の重要な自動車生産拠点であるタイの政府は、2030年までにEV生産量を自動車総生産の30%に引き上げるとの目標を掲げている。
16日、重慶長安汽車タイ工場の生産開始式典であいさつする朱華栄董事長。(ラヨーン=新華社記者/孫瑋彤)