米カリフォルニア州ロサンゼルス郡テンプルシティの施工現場を視察するドゥイドゥイ・コンストラクションのデビッド・トゥルオン氏(右)。(4月30日撮影、ロサンゼルス=新華社配信/邱晨)
【新華社ロサンゼルス5月18日】米カリフォルニア州ロサンゼルスの建設会社、ドゥイドゥイ・コンストラクションを経営するデビッド・トゥルオン氏は「ここ数か月、ほとんど全ての建築資材の価格が上がっている」とやるせなさをにじませる。1個160ドル(1ドル=約146円)だった蛇口は200ドル、300ドル程度だったスチールサッシは370ドルに値上がりした。12~15ドルだったLEDダウンライトは今や30ドルを超えている。
同社は最低限の利益を確保するため、住宅建設契約の見積もり価格を1平方フィート(約0・09平方メートル)当たり30~60ドル引き上げることを余儀なくされた。建設に必要な電線やPVC(ポリ塩化ビニール)パイプ、キャビネットなどの建材が軒並み値上がりする中、建設業者からは、米国による外国製品への追加関税が早く終わり、業界の経営状況が安定を取り戻すことを求める声が上がっている。
7日、米カリフォルニア州ロサンゼルス郡モンロビアの施工現場で働く建設作業員。(ロサンゼルス=新華社記者/高山)
米国最大級の業界団体の一つである全米住宅建設業協会(NAHB)が発表した4月のデータでは、建設業者の6割が「関税引き上げを理由に仕入先から原材料の値上げを通告された」と回答している。新築住宅の建設コストは1戸平均で1万900ドル高まったという。同協会のチーフエコノミストであるロバート・ディーツ氏は、政策の不確実性が住宅建設業者に悪影響を及ぼし、正確な見積もりや重要なビジネス判断が困難になっているとの見方を示した。
米建設請負業者協会(ABC)のチーフエコノミスト、アニルバン・バス氏も、関税の影響が浮き彫りになっていると指摘する。住宅建設コストの指標となる建築資材の価格は1~3月に上昇を続け、年率換算で9・7%急騰。3月には鉄鋼や鉄鋼製品、銅線・ケーブルの価格がいずれも5%を超える上昇となったという。「今後も価格上昇が続けば、不確実性の高まりと相まって、工事の遅延や中止といった事態が起きる可能性もある」と警鐘を鳴らした。(記者/高山)
2日、米カリフォルニア州ロサンゼルス郡アルタデナの施工現場で働く建設作業員。(ロサンゼルス=新華社配信/邱晨)
7日、米カリフォルニア州ロサンゼルス郡モンロビアの施工現場で働く建設作業員。(ロサンゼルス=新華社記者/高山)
1日、米カリフォルニア州ロサンゼルス郡アルタデナの施工現場で働く建設作業員。(ロサンゼルス=新華社配信/邱晨)
2日、米カリフォルニア州ロサンゼルス郡アルタデナの施工現場で働く建設作業員。(ロサンゼルス=新華社配信/邱晨)
1日、米カリフォルニア州ロサンゼルス郡アルタデナの施工現場で働く建設作業員。(ロサンゼルス=新華社配信/邱晨)