中国の自動車運搬船が世界記録更新 積載能力9500台

中国の自動車運搬船が世界記録更新 積載能力9500台

新華社 | 2025-05-16 22:13:15

15日、上海市のふ頭で行われた「安吉安盛」の命名式。(ドローンから、上海=新華社記者/方喆)

 【新華社上海5月17日】中国自動車大手、上海汽車集団傘下の上汽安吉物流が建造した超大型自動車運搬船「安吉安盛」が15日、就航した。初航海では7千台の中国製自動車を積載し、上海港から欧州に向けて出港した。全長228メートル、幅37・8メートルで、9500台の積載能力は世界最大となる。

 今年4月末には、新エネルギー車(NEV)メーカーの比亜迪(BYD)が専用運搬船「深圳」(積載能力9200台)を就航させ、積載能力の当時の世界記録を更新したばかりだった。「安吉安盛」は1カ月足らずでこれを超えたことになる。

15日、上海市のふ頭に停泊中の「安吉安盛」に向かう自動車。(上海=新華社記者/方喆)

 清華大学公共管理学院の高宇寧(こう・うねい)副院長は短期間での記録更新について「中国の製造業が高度分野でも急速に発展し、複雑な国際環境下でも中国貿易が力強く成長していることを物語っている」と指摘する。

 「安吉安盛」には設計から施工まで最先端技術が採用され、低炭素やスマート化の分野の性能も世界をリードしている。安吉物流の荘菁雄(そう・せいゆう)総経理によると、同船のライフサイクル全体の総合エネルギー効率は世界トップレベルにあり、将来的なカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)を見据え、メタノール燃料の供給にも対応可能な設計が施されている。

15日、上海市のふ頭に停泊中の「安吉安盛」。(ドローンから、上海=新華社記者/方喆)

 中国は2024年、世界最大の自動車輸出国となった。中国汽車流通協会乗用車市場情報連合分会の崔東樹(さい・とうじゅ)秘書長は「中国の自動車産業は新エネルギーやスマート化でレベルアップを続けており、中国製自動車は海外消費者からますます支持されている」と語る。

 上海汽車集団は24年末までに累計550万台以上を海外市場に納車した。上汽安吉物流はすでに世界有数の自動車運搬船隊を保有しており、26年には船隊規模を22隻に拡大する計画。航路も西欧、メキシコ、東南アジア、中東へと広がる見通しだという。(記者/周蕊、周文其)

15日、上海市のふ頭に停泊中の「安吉安盛」。(ドローンから、上海=新華社記者/方喆)

15日、「安吉安盛」への積み込みを待つ上海汽車集団の輸出用自動車。(上海=新華社記者/方喆)

15日、上海市のふ頭で行われた「安吉安盛」の命名式と就航式。(上海=新華社記者/方喆)

15日、上海市のふ頭に停泊中の「安吉安盛」。(パノラマ写真、ドローンから、上海=新華社記者/方喆)

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