中国のビジネス環境、改善続く 世銀報告書

中国のビジネス環境、改善続く 世銀報告書

新華社 | 2025-05-15 14:57:45

上海市の陸家嘴金融区。(1月14日撮影、上海=新華社記者/桑彤)

 【新華社上海5月15日】世界銀行がこのほど発表した2025年版の中国企業調査報告書によると、ビジネス環境に関連する59の評価項目のうち、中国は12項目が世界最高水準だった。アナリストは、中国のビジネス環境が改善し続けていることを示したと評価した。

 世銀は23年5月、ビジネス環境の評価体系に初めて企業実感を追加した。ビジネス環境総合評価の約27%を占めるという。

 これまでに調査結果が公表された103カ国・地域と比べて、中国企業の評価は総じて良好で、調査項目8分野ののうち、紛争解決、税制、金融サービス、公共サービス、事業立地、貿易の6分野のスコアがいずれも中央値を上回り、時間的効率、コストの2分野はスコアがおおむね中央値以上となった。

 ビジネス環境に関連する59の評価項目のうち、中国は電子決済、電力供給、スキル研修などの分野の12項目が世界最高水準となり、建設許可、水供給、インターネット接続、イノベーションなどの分野は世界の先進的水準に達した。

 国際大手会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)中国法人の総合ビジネスコンサルティングパートナー、陳琳(ちん・りん)氏は、世銀の企業調査が主に、企業の関連事項を処理する効率に注目していると説明。時間、コスト、利便性、デジタル化水準、およびそれらの主観的評価などを含むとした。PwCは今回の中国企業調査の実施主体を務めた。世銀の層化抽出法に基づき、2024年1月から25年2月にかけて、中国国内2189社の企業オーナーまたは上級管理職を対象にインタビューを実施した。

 陳氏によると、時間の効率については、中国企業のほとんどが第1グループの国・地域の中央値を上回り、中には第1グループの最高値だった企業やそれに近い企業もあった。例えば、中国企業が増値税(付加価値税)の還付を受領するまでの時間は1週間で、電力供給と電子送金の入金反映までの時間はいずれも第1グループの最高値に近づいた。貿易については、輸出品の通関所要時間は平均3日、輸入品は10日で、東アジアの9日と太平洋地域の11日、ならびに中所得国の6日、高所得国の11日を下回った。

 調査対象2189社のうち、上海の企業58社のデータを分析すると、多くの評価スコアが全国と東部地域の平均値を上回り、22項目は世界最高水準だった。例えば、ビジネス調停での代替可能性スコアが100、貿易での税関・貿易規制に対する実感スコアは99・1、公平な市場競争でのインターネットプロバイダーの変更に対する企業実感スコアは96・2だった。これらの結果は、上海のビジネス環境の法治度が成熟しつつある特徴を浮き彫りにした。

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