中国建設機械大手、徐州工程機械集団(徐工集団)の製造拠点「徐工ブラジル」操業10周年記念式典の様子。(2024年6月6日撮影、南京=新華社配信)
【新華社南京5月15日】中国江蘇省と中南米地域はここ数年、それぞれの強みによって相互補完しながら、経済・貿易協力を着実に推進している。データによると、2024年の貿易額は中国と中南米地域間貿易総額の約10・6%を占める547億7千万ドル(1ドル=約146円)に達した。
同省が中南米地域の中で最初に友好関係を結んだブラジルのミナスジェライス州では、同省徐州市に本社を置く中国建設機械大手の徐州工程機械集団(徐工集団)が、パウソ市に徐工ブラジル工業団地を建設した。クレーンや掘削機などの建設機械設備を生産して南米市場に展開することで、友好関係提携を単一プロジェクトから産業チェーン融合へ高めるべく取り組んでいる。同社によると同生産拠点の年間生産額は5億ドルを超えている。
5日、江蘇省の南京禄口国際空港に駐機するメキシコ市行き初の直行便貨物機。(南京=新華社配信)
今年5月初旬には、南京禄口国際空港で、メキシコ市への初の直行貨物便が離陸し、同市への貨物航空路線が開設された。一方、昨年4月には、同省初の中南米直行貨物便が無錫で就航しており、同路線では越境EC貨物が主に輸出されている。各便の越境EC貨物量は約3千件に上り、同市の昨年の越境EC取扱量が初めて1千万件を突破するのを後押しした。
同省と中南米諸国の経済・貿易協力は、光ファイバーケーブルプロジェクトの実施やエネルギー・鉱物資源の共同開発、大豆などの農畜産物の輸入に加え、新エネルギーなどの分野にも徐々に拡大している。
江蘇省無錫市で、同省初の中南米直行貨物便の就航に際し、貨物機をバックに記念撮影する関係者。(2024年4月16日撮影、南京=新華社配信)
昨年12月には、金竜聯合汽車工業(蘇州)の純電動バス100台がウルグアイに納入され、同国史上最大の純電動バス受注となった。また、今年1月には、太陽光発電設備大手の天合光能(トリナソーラー)が建設した複数の太陽光発電所がブラジルで系統連系運転を開始。さらに、5月12日には、再生エネルギー大手、遠景科技集団(エンビジョングループ)がブラジルの関係部門と戦略的協力協定を締結した。今後、同国に中南米初のゼロカーボン産業パークを建設、バイオジェット燃料を核としたグリーン(環境配慮型)燃料のバリューチェーンを発展させ、同国市場に先進的なグリーン水素・アンモニア設備を提供する。(記者/何磊静)