武夷山国家公園で見つかった新種のキノコ「近小灰鱗粉褶菌(Entoloma subgriseosquamulosum)」。(福州=新華社配信)
【新華社福州5月11日】中国福建省農業科学院はこのほど、同省と江西省にまたがる武夷山国家公園で江西農業大学(南昌市)と実施した合同調査で大型菌類(キノコ)の新種3種類を発見したと発表した。新種は「近小灰鱗粉褶菌(Entoloma subgriseosquamulosum)」「近極細粉褶菌(Entoloma subpraegracile)」「武夷山粉褶菌(Entoloma wuyishanense)」と名付けられ、真菌学の国際学術誌「MycoKey」に発表された。
福建省農業科学院食用菌研究所の曽輝(そう・き)所長によると、新種はいずれもイッポンシメジ属シアヌラ亜属に属する。同亜属の多くは子実体(傘や柄の部分)が円盤状からへそ状で、表面に繊毛や鱗片があり、ひだや菌髄の細胞内に明るい粒子が見られる。
武夷山国家公園で見つかった新種のキノコ「武夷山粉褶菌(Entoloma wuyishanense)」。(福州=新華社配信)
国内でこれまでに確認されているシアヌラ亜属は17種類で、うち4種が固有種とされる。曽氏は今回の発見について、亜熱帯地域でのイッポンシメジ属の多様性に対する理解がさらに深まったと指摘。武夷山国家公園を模式産地とするイッポンシメジ属が8種類になったことは、同地域における大型菌類の開発・保全の理論的な支えになると語った。(記者/張華迎)
武夷山国家公園で見つかった新種のキノコ「近極細粉褶菌(Entoloma subpraegracile)」。(福州=新華社配信)