新華時評:国際経済秩序を守る中国の立場は揺るがず

新華時評:国際経済秩序を守る中国の立場は揺るがず

新華社 | 2025-05-11 15:51:15

米ワシントンの街角に掛けられている中米両国の国旗。(資料写真、ワシントン=新華社記者/鮑丹丹)

 【新華社北京5月11日】中国と米国の経済・貿易ハイレベル会談が、米国側の要請に基づきスイスで開かれた。中国は、世界の期待と中国の利益、米国の業界・消費者の声を十分に考慮し、米国との接触に同意した。中国には自国の正当な権益を守るための強い耐圧能力と充実した政策手段があり、国際社会と共にあらゆる形の一国主義、保護主義、経済的いじめ行為にも対抗していく意思もある。今後の情勢が対立であろうと、対話であろうと、国の発展利益を守る中国の決意は盤石であり、国際的な公平・正義と世界の経済秩序を守る立場が変わることはない。

 米国が乱用する関税措置は、世界貿易機関(WTO)の規則に対する重大な違反であり、国際経済秩序の安定に深刻な衝撃を与えている。その本質は、関税を手段とする国際経済・貿易秩序の転覆であり、世界各国の正当な権益を損なう典型的な一国主義、保護主義、経済的ないじめ行為である。米国の経済界や学術界も「国際貿易は勝ち負けを競うゼロサムゲームではなく、互恵・共栄を目指すべきだ」と何度も強調している。米国の政策決定者はこうした理性的、客観的な声に真摯に耳を傾け、中米経済関係を健全で安定した発展の軌道へ戻すべきである。

 米国が一方的に仕掛けた関税戦争は、米国自身の経済に打撃を与え、世界の産業チェーン・サプライチェーンの安定にも悪影響を及ぼした。こうした背景の下で両国が対話の場を持つことには前向きな意義があり、意見の相違を解消し、対立の激化を回避するために必要な手段となる。とはいえ、対話の成果は双方の誠意と努力、特に米国側が理性的、実務的な姿勢を本当に示せるかにかかっている。中国は一貫して、いかなる対話や交渉も相互尊重と平等な協議、互恵互利を踏まえるべきだと考えてきた。米国が対話を通じた問題解決を心から望むなら、一方的な関税措置が自国と世界に与えた重大な悪影響を直視し、国際経済・貿易ルールや公平・正義、各界の理性的な声に向き合い、誠意ある交渉姿勢を示し、誤ったやり方を改めなければならない。言行を一致させず、ましてや会談を口実に威嚇や脅迫を続けるなら、中国が応じることは決してなく、原則的立場や国際的な公平・正義を犠牲にしてまで合意を図ることもない。

 中国は、米国が仕掛けた貿易いじめと一国主義の逆流に毅然と立ち向かい、断固たる反制措置を講じるとともに、国連など多国間の場を通じて他国と連携し、正義の声を発し続けてきた。中国の立場と行動は、自国の正当な権益だけでなく、多くの中小国を含む国際社会共通の利益を守るため、さらには国際的な公正と正義を守るためでもある。

 米国との平等な対話に中国が自信を持ち、オープンな姿勢で臨めるよりどころは、中国経済の実力と強靱(きょうじん)性にある。外部からのいかなる衝撃も、安定した基盤と多くの優位性、高い強靭性、大きな潜在力を持つ中国経済のファンダメンタルズを揺るがすことはできず、中国の質の高い発展が着実に推進されているという確固たる状況も変えられない。

 グローバル化が逆風にさらされ、保護主義が勢いを増す現在、中国は扉を閉ざすどころか、むしろかつてない力強さで対外開放を拡大している。貿易と投資の自由化、円滑化を積極的に推進し、各国と発展の機会を共有している。国際情勢がどう変化しようとも、中国は常に対外開放を揺るぎなく拡大し、自らの取り組みを確固不動に進め、自国の確実性で外部環境の不確実性を打ち消していく。

 関税戦争と貿易戦争に勝者はおらず、保護主義に活路はない。中米関係の健全な発展は、両国と世界にとっての朗報となる。中米が対話と意思疎通を強め、意見の相違を適切に管理し、互恵協力を拡大してこそ、世界経済はより良い方向に進むことができる。

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