中国・エクアドル自由貿易協定、発効から1年 経済・貿易協力に貢献

中国・エクアドル自由貿易協定、発効から1年 経済・貿易協力に貢献

新華社 | 2025-05-08 16:17:15

 エクアドルの顧客に引き渡される広西柳工機械が製造した掘削機などの建設機械。(1月23日撮影、南寧=新華社配信)

 【新華社キト5月8日】中国とエクアドルの自由貿易協定(FTA)がこのほど、発効から1周年を迎えた。FTAは、両国の経済・貿易の補完的な潜在力を引き出し、市場の相互接続を促進させ、経済の持続的な成長に力強い推進エネルギーを与えている。

 中国税関総署によると、今年1~3月の両国間貿易額は前年同期比34・2%増の39億1500万ドル(1ドル=約144円)、うちエクアドルからの輸入額は42・8%増の23億3900万ドルだった。

 エクアドル・中国商工会議所のマガリ・カイセド会頭は取材に応じ、FTA初年の成果は喜ばしいものだったと振り返った。関税の減免や貿易の円滑化などにより、エクアドルのバナナやカカオなどは中国市場で存在感を増しつつある。

 バナメイエビはエクアドルの主な輸出品の一つである。全国水産養殖会議所(CNA)のホセ・アントニオ・カンポザーノ会長によると、同国産バナメイエビは、中国の輸入エビ市場の7割超を占め、輸出の多角化も進んでいる。同氏は、FTAが両国の貿易だけでなく、通関、検疫などの体制面の協力も深めているとした。

 同国産の缶詰マグロが今年2月、ゼロ関税で中国に初輸出された。同商工会議所の張鵬翔(ちょう・ほうしょう)理事は、付加価値の高いマグロの中国市場進出が成功しただけでなく、「世界のマグロの都」と称されるマンタ(同国最大の漁港を保有)を経済発展戦略の中心地の一つにしたと評価。衛生植物検疫措置が適用されれば、ブルーベリーやアボカドなども中国の消費者に届けられるだろうと予想した。

 FTAの発効後、中国の自動車・部品などの大多数の製品は輸入時、関税率が当面の5~40%からゼロへと下がりつつある。エクアドル自動車企業協会(AEADE)によると、中国電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)の今年1~3月の同国におけるEV販売台数は前年同期の2・5倍に増え、EV部門の首位に立った。中国の宇通客車(バス)や奇瑞汽車(自動車)などのブランドも高い人気を誇る。

 エクアドル中国系企業商工会議所の馬文傑(ば・ぶんけつ)会頭は、FTAがEVだけでなく、中国企業によるエクアドルのエネルギーや鉱業分野などへの投資を促し、中国技術を用いたエクアドルの自然資源の開発を支え、現地の工業競争力を高めると指摘。「協定が両国企業に安定的で透明、かつ相互に利益のある協力枠組みを提供し、経済・貿易協力を質の高い方向へと導いている」と述べた。

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