4月30日、中国経済円卓会議で発言する中華全国工商業連合会副主席で奇安信科技集団の斉向東董事長。(北京=新華社記者/李賀)
【新華社北京5月1日】中国の第14期全国人民代表大会(全人代)常務委員会は4月30日、第15回会議を開き、中国初となる民営経済発展に関する法律案を可決した。業界団体の中華全国工商業連合会(工商連)副主席でサイバーセキュリティー大手、奇安信科技集団董事長の斉向東(せい・こうとう)氏は新華社が同日配信した経済討論番組「中国経済円卓会議」で、民間企業家らに対し「確固たる信念を持ち、革新に果敢に挑み、国家と歩調を合わせて積極的に対応すれば、着実に前進し、企業のさらなる発展を実現し、民営経済発展の新たな章をつづることができる」とのメッセージを送った。
斉氏は法律制定により、民営経済が中国式現代化の推進により深く根付き、より活発に成長できるようになるとし、「民営経済促進法」の成立は民営経済を守り抜く党と国家の決意や、民営企業家が認められ、尊重されていることを実感させると語った。
国際的な科学技術競争が激化するにつれ、サイバーセキュリティーを巡る駆け引きは一層激しくなっている。サイバー空間の安全に注力する奇安信科技集団は2014年の設立以来、累計100億元(1元=約20円)以上を研究開発に投じ、主にコア技術への取り組みやイノベーションプラットフォームの構築、人材育成などに充ててきた。
斉氏は同法の投融資や科学技術革新に関する内容に特に注目しているといい「この法律は投融資の促進、そして科学技術革新の支援という両輪駆動で科学技術型民営企業の発展のボトルネックを解消するための制度的解決策を提供する」と指摘した。
法治は最良のビジネス環境である。斉氏は同法が公平な競争やサービス保障などの観点でビジネス環境を体系的に適正化していると分析し「公平競争審査制度を基盤に、全国統一の市場参入ネガティブリスト制度を足掛かりとして、民営企業が能力に見合ったより多くの市場空間と発展の機会を得られるようになる」と語った。
民営経済促進法は「権益保護」を独立した章で扱い、民営経済関係者に共通する関心事に法律レベルで対応している。斉氏は権益保護の章が法執行行為や返済延滞の予防と整理に明確な規定を設け、民営企業が発展に専念するための信頼できる法的保障を提供しているとの見方を示した。