中国国家衛生健康委員会、新型コロナ関連白書について説明

中国国家衛生健康委員会、新型コロナ関連白書について説明

新華社 | 2025-05-01 10:33:16

中国国家衛生健康委員会。(北京=新華社配信)

 【新華社北京5月1日】中国国家衛生健康委員会の担当者は30日、中国国務院新聞(報道)弁公室が同日発表した「新型コロナウイルス感染症対策とウイルス起源調査に関する中国の行動と立場」白書について、記者の質問に答えた。主な質疑応答は次の通り。

 記者:白書を発表した背景は何か。

 担当者:新型コロナの感染拡大以降、中国は感染症対策に関する情報を常にオープンかつ透明性をもって共有し、惜しみない支援で世界の感染対策に貢献してきた。国際社会は感染症対策に向けた中国の努力と高い透明性による情報共有を評価しているが、米ミズーリ州東部地区連邦地裁はこのほど、中国による医療物資の買い占めが同地に損害を与えたとして、中国に244億9千万ドル(1ドル=約143円)の賠償を命じる判決を下した。ホワイトハウスもこのほどホームページに掲載した文章で、ウイルス起源問題を巡り改めて中国を非難し、米国の一部の政治家も濫訴を通じて中国が外部に感染症を隠ぺいし、医療物資を買いだめしたと誹謗中傷した。

 中国がこうした背景のもとで白書を発表した目的は、ウイルス起源調査と感染症対策をめぐる国際協力に関する中国の取り組みの成果と貢献を体系的に紹介し、中国が責任ある大国として引き続き科学的なウイルス起源調査と国際協力を提唱していく姿勢を示すことにある。米国は世界一の経済国、最大の先進国だが、感染症対策で実力に見合った貢献をしなかったばかりか、国際社会の結束した感染症対策を損ない続けた。中国は断固反対し、強く非難する。

キリバスの首都タラワの空港で、中国政府が援助した防疫物資を運ぶ職員。(2022年2月23日撮影、タラワ=新華社配信)

 記者:中国のウイルス起源調査はどこまで進展したのか。今後の調査はどこから始めるのか。

 担当者:新型コロナの感染拡大以降、中国は多くの資源を投入して自国の科学者と国際的な研究者によるウイルス起源調査を支援し、オープンで透明性のある姿勢と科学的かつ専門的な精神で常に国際的責任を果たしてきた。

 今後のウイルス起源調査は米国に重点を置くべきである。米国疾病予防管理センター(CDC)の論文によると、2019年12月13日から2020年1月17日に九つの州で採取された血清学的検査サンプル7389件のうち、106件から新型コロナウイルスの抗体が確認された。これは米国で最初の感染者が確認される以前に、ウイルスが米国に存在していた可能性を示している。英医学誌ランセットの専門家は、新型コロナウイルスが自然由来でなく、米国の生物研究所の事故から発生した可能性があるとの見方を示した。多くの疑問点は、米国での感染症の発生が公式発表より早く、また中国での感染拡大より前だったことを示している。包括的で綿密な起源調査は米国において実施されるべきである。米国は国際社会の合理的な懸念に速やかに応え、自国の早い時期における疑似症例のデータを積極的に世界保健機関(WHO)と共有し、世界の人々に責任ある説明をしなければならない。

ニューヨーク・タイムズスクエアにある新型コロナ検査拠点の前を通り過ぎる人々。(2022年5月12日撮影、ニューヨーク=新華社配信/郭克)

 記者:中国は米国の新型コロナ対策をどのように評価しているか。

 担当者:米国は新型コロナに対して迅速かつ有効な対応措置を講じることができず、「世界で対策に最も失敗した国」となった。米国は自らの対策に不備があっただけでなく、さまざまな方法で国際協力を妨げ、損なってきた。米国は自国の感染状況を意図的に隠ぺいし、他国やWHOの判断を誤らせた。米国はワクチンの供給と接種で「米国優先」を公然と打ち出し、ワクチンを大量に買い占め、「ワクチン民族主義」を推し進める一方で、「反中国ワクチン計画」を展開し、虚偽情報を広めて中国のワクチンに対して悪意ある攻撃を行い、中傷した。米国のあるシンクタンクは、対外支援に消極的な姿勢を続ければ、支援を求める際に「利己的な孤立主義者」とみなされると警鐘を鳴らした。

ニューヨーク・タイムズスクエアの建物に表示された、新型コロナの死者に関するニュース。(2022年5月12日撮影、ニューヨーク=新華社配信/郭克)

 記者:ミズーリ州などが新型コロナを口実に中国を濫訴したことをどう考えるか。

 担当者:ミズーリ州の新型コロナに関する訴訟は政治的操作であり、州政府が政治的私利から悪意を持って提起し、法律の最低ラインを越えた茶番劇にほかならない。客観的な事実を無視し、基本的な法理に背いている。中国を含む全ての国の主権と尊厳に対する重大な挑発であり、国際法治を著しく踏みにじる行為である。中国は断固反対し、いわゆる「欠席判決」を決して受け入れない。

 中国が対外的に感染状況を隠ぺいし、医療物資を買い占めたとする判決はまったくの事実無根である。中国は感染拡大の初期段階から国際社会に明瞭かつ明確な情報を発信し、オープンと透明性の原則を一貫して守り、国際社会に感染状況を速やかに公表してきた。

 中国は世界の感染症対策の貢献国である。公正に扱われるべきで、非難や賠償請求の対象とされるべきでない。ミズーリ州は感染症対策の職責を果たさず、死亡率は一時、全米上位となった。自らの責任を転嫁して問題を覆い隠そうとする行為は、無責任かつ不道徳である。中国はいかなる濫訴や賠償請求も受け入れず、断固として強力な対抗措置を講じる。

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