貴州省で農村ファッションショー 中国無形文化遺産の美を世界に発信

貴州省で農村ファッションショー 中国無形文化遺産の美を世界に発信

新華社 | 2025-04-29 11:07:46

26日、貴州省従江県の加榜棚田で、地元少数民族の衣装を着てランウエーに登場するドイツのブロガー、ロベルト・アドルフさん。(貴陽=新華社記者/周宣妮)

 【新華社貴陽4月29日】中国貴州省黔東南(けんとうなん)ミャオ族トン族自治州従江県の加榜(かぼう)棚田で26日、田植え初めの行事と民族衣装のファッションショーが行われた。

 貴州「村T」と呼ばれる民族衣装ショーではモデルがミャオ族の刺繡(ししゅう)やろうけつ染め、銀細工など、無形文化遺産の要素を取り入れ特別に仕立てたドレスをまとい棚田の間をゆっくりと歩いた。ミャオ族刺しゅうの装身具を着けた人型・犬型ロボットが登場した際には観客から驚きの声が上がった。

26日、貴州省従江県の加榜棚田で、地元少数民族の人たちと記念撮影するフランス・パリからの観光客、ルーシー・ポルテさん(右から2人目)。(貴陽=新華社記者/周宣妮)

 中国で休暇を過ごすのは5回目というオーストラリア人観光客のスティーブン・ジョーンズさんは「初めて加榜棚田を訪れた。田植え初めの行事や少数民族の風情に触れ、この上ない観光体験ができた」と興奮したように語った。

 「ショーは伝統文化と現代のファッションが見事に融合し、精緻な刺繡が施された衣装は全て手作りだった。中国の農村地帯の子どもたちがランウエーで民族衣装を世界に向けて披露する様子は素晴らしかった。今日、このような祭りに参加でき、私にとって忘れ難い旅の1シーンとなった」と感想を述べた。

26日、貴州省従江県の加榜棚田で、オートクチュールのドレスを着てランウエーを歩く貴州「村T」のモデル。(貴陽=新華社記者/周宣妮)

 ドイツから来たブロガーのロベルト・アドルフさんは「ショーの会場は特別で美しい。伝統文化の要素に現代的なショーのプログラムを加えることで、従江と中国少数民族の多彩な姿を世界に示すことができた」と感想を述べた。

 フランス・パリからの観光客、ルーシー・ポーターさんは、加榜棚田で数々の思いがけない喜びと出会いがあったと語った。3カ月かけてアジアを旅行する計画をしているが、中国での滞在を思い切って2カ月に延長し、西部地域をじっくり見て回ることにしたという。

26日、貴州省従江県の加榜棚田で、友人と記念撮影するオーストラリアの観光客、スティーブン・ジョーンズさん(右から2人目)。(貴陽=新華社記者/周宣妮)

 ルーシーさんは「中国が好き。貴州も大好きになった。田んぼのあぜで始まったファッションショーは、ファッションという言語で世界共通の美を表現していて、中国独特の民族文化を自身の目で見て深く理解する機会も与えてくれた」と語った。

 貴州「村T」のエグゼクティブ・ディレクターを務める高長江(こう・ちょうこう)さんは貴州「村T」が今年6月、中国の無形文化遺産の要素を取り入れたオートクチュールを携えて大阪・関西万博に参加すると紹介。「無形文化遺産ファッションショーをより広い世界の舞台へ押し上げるとともに、日本の人々に中国の無形文化遺産技術とファッションの融合、革新を目にする機会を提供し、両国の民俗文化の交流を促進していく」と意欲を示した。(記者/周宣妮)

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