スペイン企業が中国市場を深耕、多くの分野で協力展開

スペイン企業が中国市場を深耕、多くの分野で協力展開

新華社 | 2025-04-25 09:58:15

広東省広州市で行われた社員大会に参加するため同市を訪れ、観光を満喫するデノードテクノロジーズの社員ら。(2月12日撮影、広州=新華社配信)

 【新華社広州4月25日】中国の対外開放が加速し、スペインとの間で経済・貿易協力の深化が進むにつれ、中国で積極的に事業を展開し、複数の分野で投資を拡大するスペイン企業が増え、中国市場に対する長期的な自信を明確に示している。

 スペインで創業され、現在は米国に本社を置くIT企業デノードテクノロジーズは今年初め、中国で初めて年次総会を開催した。700人以上の従業員が世界各地から広東省広州市に集まり、その95%は中国を訪れるのが初めてだった。創業者のアンヘル・ビーニャ最高経営責任者(CEO)は「中国の都市の国際化は驚くべき水準になっている。ここには奥深いビジネスの蓄積があり、イノベーションの活力も満ちあふれ、対中投資への決意が一層固まった」と語った。

 スペインの衛生陶器メーカー、ロカグループは20数年前に広東省仏山市で最初の生産拠点を立ち上げて以来、徐々に全国を網羅する生産ネットワークを構築してきた。今では仏山と江蘇省蘇州市、河北省唐山市の三大生産拠点体制を整えている。広報・コーポレートブランドディレクターのザビエル・トラス氏は「中国の消費者の健康的な住宅、スマートなトイレ・浴室に対するニーズの高度化によって成長の余地がもたらされるだろう。中国経済が長期的にレジリエンス(粘り強さ)を発揮することに自信を持ち続けている」と述べた。

広東省肇慶市で開かれたルクタの食品香料工場の開業式。(2024年11月14日、ドローンから、広州=新華社配信)

 飼料用香料大手のルクタは20年にわたり、中国で事業を展開している。23年には5千万元(1元=約19円)を投じて広東省肇慶(ちょうけい)市に食品香料工場を建設し、24年下半期(7~12月)に生産を開始した。中国に新工場を建設するのは、1998年に広州市に独資企業の楽達(広州)香味剤を設立したのに続き2度目となる。楽達(広州)香味剤の胡梅芳(こ・ばいほう)マーケティング・広報マネージャーは「中国は人口が多く、食品工業の成熟も進み、大きな発展の可能性を秘めている」と語った。

 中国のビジネス環境の改善とハイレベルな開放拡大が進む中、スペインのテック企業も中国市場に狙いを定め始めている。デノードは19年に北京市に大中華圏本部を設立し、急成長への道を開いた。中国自動車メーカーの北京汽車集団と戦略的協力を行い、デジタル化を支援するほか、重慶市に新エネルギー車(NEV)データ管理イノベーション実験室も設立し、新エネ車メーカーの海外進出に向けたデータコンプライアンス体制の整備を後押ししている。

 同社は1999年に設立され、リアルタイムのデータベースやデータ統合などデータ管理技術のリーディングカンパニーであり、現在はスペインと米国、インドに研究開発センターを構えている。中国市場の長期的な先行きに対する期待に基づき、中国に4番目の研究開発センターを設立することを計画している。ビーニャ氏は「中国には世界で最も整った産業チェーンと最も活発なイノベーションエコシステムがあり、業界をリードする企業も数多い」とし、「デジタル化の波が押し寄せる中、中国はすでにイノベーション発祥の地となっており、われわれはそこに加わるだけでなく、協力を通して共同利益を獲得する必要がある」との考えを明かした。

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