中国の花卉園芸、多様化・スマート化で世界に商機

中国の花卉園芸、多様化・スマート化で世界に商機

新華社 | 2025-04-25 18:09:01

中国国際花卉園芸展覧会の会場で言葉を交わす企業関係者。(4月10日撮影、上海=新華社記者/呉宇)

 【新華社北京4月26日】中国の花卉(かき)園芸産業は、多様化、細分化、スマート化が進み、拡大する市場が世界の企業に商機をもたらしている。

 上海市で開かれた第27回中国国際花卉園芸展覧会(10~12日)の主催団体、中国花卉協会によると、展覧会には国内のほかオランダ、ドイツ、日本など約30の国と地域から約700社が出展し、展示面積は5万平方メートル近くに及んだ。

 中国の花卉の小売市場規模は昨年時点で約2200億元(1元=約20円)、就業者数は530万人以上、貿易総額は前年比10%増の7億8200万ドル(1ドル=約143円)に上った。国内産を90以上の国と地域に輸出し、外国産を60以上の国と地域から輸入している。中国は世界最大の花卉生産国であり、取引や消費でも存在感を高めている。

中国国際花卉園芸展覧会で展示された山東省菏沢(かたく)市産のボタン。(4月10日撮影、上海=新華社記者/呉宇)

 今年1~2月の花卉輸入額は2703万ドルと前年同期比2%の微増にとどまった一方、球根輸入は1171万ドルで44・6%の大幅増となり、産業の多様化と細分化の傾向がうかがえる。オランダや日本など従来の貿易相手国に加えてタイ、コロンビア、エクアドルなどからの輸出が大きく増えたことは、良質かつ地域性の高い花卉に対する需要の高まりを示している。

 オランダの花卉生産企業リッダーグループのユップ・ファン・デン・ボス最高戦略責任者(CSO)は展覧会のフォーラムで「中国は急速な市場拡大の段階にある。上海をはじめとする長江デルタ地域は開放的な地域性を生かし、花卉園芸産業でオランダと中国の協力の模範になりつつある」と指摘した。

中国国際花卉園芸展覧会で披露されたフラワーアート。(4月10日撮影、上海=新華社記者/呉宇)

 同氏は花卉園芸業界における人工知能(AI)の応用にも触れ「将来はAIとビッグデータによって複雑な植生や温室環境下でロボットが自律的に移動するようになり、温室生産の効率や自動化レベルが大幅に向上するだろう」と語った。

 展覧会は中国の花卉園芸が観賞用から多様化、個性化、高品質化に向かっていることを示した。都市の緑化や庭園の美化、室内装飾、慶事用の消費が年々拡大し、花卉は暮らしの質を向上させ、思いを伝える重要な手段となっており、国内の消費構造は明らかに高度化している。中国の花卉園芸産業は政策支援と市場需要に後押しされ、新たな成長の機会を迎えている。(記者/呉宇)

中国国際花卉園芸展覧会で日本の生け花に関する本の売り場を訪れた来場者。(4月10日撮影、上海=新華社記者/呉宇)

中国国際花卉園芸展覧会で展示されたさまざまな観葉植物。(4月10日撮影、上海=新華社記者/呉宇)

中国国際花卉園芸展覧会で撮影を楽しむ来場者。(4月10日撮影、上海=新華社記者/呉宇)

中国国際花卉園芸展覧会で伝統衣装の漢服を着てPRを行うスタッフ。(4月10日撮影、上海=新華社記者/呉宇)

中国国際花卉園芸展覧会で展示された外国産の花卉。(4月10日撮影、上海=新華社記者/呉宇)

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