東京から昆明へ 中韓夫婦の雲南コーヒー愛

東京から昆明へ 中韓夫婦の雲南コーヒー愛

xhnews | 2025-04-24 11:41:00

 山達コーヒー工場でコーヒーを入れる金泰浩さんと王煒婷さん(右)。(3月26日撮影、昆明=新華社記者/王賢思)

 【新華社昆明4月24日】3月末、桜が満開になった中国雲南省昆明市の雲南理工職業学院キャンパス内にある山達コーヒー(XANDAR COFFEE)工場で、韓国人の金泰浩(キム・テホ)さんと妻の王煒婷(オウ・イテイ)さんが学生たちにコーヒーの入れ方を教えていた。キムさんが日本語で説明し、王さんが中国語で同時通訳をする。

 2人は日本で語学とデザインの勉強中に知り合った中韓国際カップル。日本で愛を育みながら、起業の夢を抱いた。現在は雲南省に暮らし、コーヒー業界に身を投じている。

 雲南のコーヒー畑で収穫したコーヒーチェリーを撮影する金泰浩さんと王煒婷さん(左)。(2024年1月撮影、昆明=新華社配信)

 雲南省出身の王さんと韓国出身のキムさんは、東京にある語学学校で日本語が縁で結ばれた。出会った当初、お互い言葉がうまく話せず、ジェスチャーで意思疎通を図っていたが、それがきっかけにもなって互いに理解を深め、心を通わせるようになった。王さんは「私たちはめったにけんかをしない。文化の違いから、相手の立場に立って考えることを学んだ」と振り返る。今では日本語が2人の生活と仕事をつなぐ絆となっており、中国にいても日本語でコミュニケーションをとるのを習慣にしている。

 卒業後、キムさんは日本のデザイン会社で機械エンジニアとして働き、王さんは高級ブランドの重要顧客を管理するマネージャーとして働いた。2人は2018年に東京での仕事を辞め、雲南省にやって来た。キムさんは「ここの活気ある環境が私たちに『この道で頑張っていこう』と思わせてくれた」と語った。

 雲南のコーヒー畑でコーヒーチェリーを収穫する金泰浩さんと王煒婷さん(左)。(2024年1月撮影、昆明=新華社配信)

 翌年、2人は雲南山達コーヒーを設立し、雲南理工職業学院のキャンパス内に面積700平方メートルのコーヒー工場を建設。「工場併設型店舗」モデルを採用して、焙煎、研究開発、トレーニングを一体化した。工場の透明なガラス壁の奥に、焙煎工程が全て見えるようになっており、カウンターからは香ばしい香りが漂い「豆からカップまで」という理念を鮮やかに表現している。

 山達コーヒー工場でコーヒーを入れる金泰浩さん。(3月26日撮影、昆明=新華社記者/王賢思)

 コーヒー工場は学校とも提携しており、夫妻は同学院の観光経営と調理を専攻する学生たちの「行業導師(専門知識を教える教員)」として、週3日講義を行っている。座学ではコーヒー文化・観光やビジネスマナーを教え、実習ではハンドドリップやラテアートなどの技術を指導する。最初はコーヒーの酸味や苦味が苦手だった学生たちも、実習を重ねるうちに強く興味を持つようになり、夫妻は大いに満足している。将来的には、雲南省の山あいの農家が育てたコーヒー豆をさらにおいしいコーヒーに生まれ変わらせ、世界中の人々の元に届けたいと願っている。(記者/趙珮然、王賢思)

 山達コーヒー工場の一角。(3月26日、昆明=新華社記者/王賢思)

 雲南理工職業学院の学生にコーヒー理論の講義をする金泰浩さん(奥左)と王煒婷さん(奥右)。(3月26日撮影、昆明=新華社記者/王賢思)

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