「伊春号」の特別車両の一つでくつろぐ乗客。(資料写真、伊春=新華社配信)
【新華社伊春4月24日】中国南部が本格的に春を迎える中、黒竜江省伊春市は冬から春に移り変わる独特の趣を残している。ハルビンを出発した観光特別列車「伊春号」は山々と樹海の間を行き来し、森林に囲まれた伊春市へと乗客を導く。
「伊春号」は交通・宿泊・飲食・娯楽・買い物などの要素が一体化した観光列車。乗客は日中、車窓からゆったりと緑濃い風景を楽しみ、夜に列車が駅に到着すると、下車して地元のさまざまな行事に参加し、その土地土地の風土や人情を深く味わうことができる。
伊春駅に到着後、たき火パーティーを楽しむ乗客。(資料写真、伊春=新華社配信)
列車がゆっくりと伊春駅に入ると、人々は伊春市の独特の雰囲気に魅了される。ここには大都市のにぎわいや活気はないが、別世界のような静けさと心地よさがある。400万ヘクタールの山河と森林、83・8%の森林率、アジア最大の面積を誇るマツ科のチョウセンゴヨウの原生林、700を超える天然の河川、1立方センチ当たり平均2万7千個のマイナス酸素イオン濃度を持つ良質な空気などにより、伊春市は「中国の林都」「チョウセンゴヨウの里」「天然の酸素バー」とも呼ばれ、中国北部有数の森林生態都市となった。
雪原を走る「伊春号」。(資料写真、伊春=新華社配信)
「伊春号」は観光特別列車であるだけでなく、動く森林文化体験館でもある。列車は小興安嶺山脈の奥地を通り抜け、市内で最も代表的な森林風景区を結ぶ。乗客は観光ガイドの案内の下、原生林の奥深くに分け入ってチョウセンゴヨウの母樹林を探索し、マイナス酸素イオンを豊富に含んだ新鮮な空気を吸い込み、大自然の魅力を体感できる。(記者/張玥、姜思妮)
季節に合わせてメニューが変わる「伊春号」の料理。(資料写真、伊春=新華社記者/姜思妮)
「伊春号」のパノラマ多機能車両に乗る乗客。(資料写真、伊春=新華社配信)