広州市、近代的産業体系の構築加速 イノベーション企業が後押し
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広州市、近代的産業体系の構築加速 イノベーション企業が後押し

xhnews | 2025-04-23 15:42:45

 20日、広州視源電子科技で、家庭用スマートスクリーンの操作を実演する職員。(広州=新華社記者/鄧華)

 【新華社広州4月23日】中国広東省広州市の電子機器メーカー、広州視源電子科技(CVTE)は、教育や企業サービス、エネルギー、製造、交通などの分野において、中核技術を結集した電子部品から多様なスマート応用まで幅広く事業を展開する。グリーン(環境配慮型)製造やスマート製造への投資も持続的に拡大し、技術革新と生産工程の深い融合を進めている。

 同社の成長は、科学技術を軸に近代的産業体系の構築を進める広州市の取り組みを象徴している。超高精細映像、新型ディスプレーから低空経済(低高度の有人・無人機を活用した経済活動)、航空宇宙、さらには半導体や集積回路(IC)に至る同市の戦略的産業クラスターは、今まさに活力を沸き上がらせている。

 中でも低空経済と航空宇宙産業は、同市の産業体系で重要な戦略的産業クラスターを形成している。ドローンメーカーの広州億航智能技術(イーハン)は電動垂直離着陸機(eVTOL)の固体電池飛行試験を成功させ、電気自動車(EV)メーカー小鵬汽車傘下の広東匯天航空航天科技(小鵬匯天)は、陸上・空中ユニット分離型eVTOL「陸地航母」を発表。農業機器メーカーの広州極飛科技(XAG)は、農業用ドローンによるスマートソリューションを構築した。複数の低空経済産業チェーン企業が集積する広州は「天空の都市」としての存在感を高めている。

 小鵬匯天の創業者、趙徳力(ちょう・とくりき)氏は、広州は中国における低空経済先進都市の一つだと指摘。企業の集積度や整った産業チェーン、政策支援の手厚さ、豊富な応用環境などを強みとして挙げた。

 20日、広州奥松電子が開発したセンサー製品。(広州=新華社記者/鄧華)

 近代的産業システムには科学研究の強力な支えが欠かせない。広州市の研究開発投資は2024年に初めて1千億元(1元=約19円)を超え、過去3年間の年平均伸び率は10・4%となった。ハイテク製造業への投資も3年間で年平均26・4%の伸びを示した。

 同市は、各種のイノベーション企業(機関)による概念検証(PoC)センターの設立を奨励するほか、大手企業や研究機関に対し、専門的または総合的な中小規模の試験プラットフォームを整備してオープンな共有サービスを提供し、研究成果の製品化・産業化を加速させるよう促している。

 スマートセンサーメーカーの広州奥松電子は、素材の研究開発、チップ設計・製造、パッケージングテスト、統合アプリケーションを一つにしたスマートセンサーの産業チェーンを構築。「設計-製造-封入試験-応用」のクローズドループ(自社内完結型)体制を整えた。国内初のスマートセンサー技術概念検証センターも立ち上げ、研究成果を市場に送り出す「最後の1キロ(ラストワンマイル)」を切り開いた。

 広州市は今年の活動報告の中で、全面的なイノベーションの一体的推進、国際的な科学技術イノベーション重要拠点の構築推進を目標に掲げた。市科技局の謝明(しゃ・めい)局長は「市全体の科学技術分野が先駆者としての姿勢を保ち、未来産業における新たな競争分野をいち早く捉え、新たな質の生産力(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)の育成と発展を加速させていく」と語った。(記者/馬暁澄、仇清漪、鄧華)

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