中国農業科学院中原研究センターで展示された小麦の新品種「普氷」シリーズの種子と穂。(2024年12月25日撮影、鄭州=新華社記者/郝源)
【新華社鄭州4月22日】中国河南省が進める国家級農業科学技術プロジェクト「中原農谷」の中核エリア、新郷市平原モデル区橋北郷の高規格農地で、小麦品種「普氷03」が順調に成長している。
中原農谷プロジェクトで主に種子の研究開発を担う中原農谷連合種業の技術部責任者、韓亜偉(かん・あい)さんは普氷03について「中国で初めて国の認定を受けた遠縁交雑の新品種で、収量や耐病性などに優れたコムギダマシの遺伝子を導入している。コムギダマシを用いた小麦の改良という世界的な難題を克服し、より高い収量性と安定性、耐病性を実現している」と語った。
河南省新郷市平原モデル区の高規格農地で、散水する移動式スプリンクラー。(3月4日、ドローンから、鄭州=新華社配信/趙雲)
中原農谷には現在、ハイレベルな研究・産業プラットフォームが67カ所あり、院士(アカデミー会員)16人が在籍する。遺伝資源18万点を保存し、これまでに農作物の優良新品種178種を育成。優良品種の育種拠点は110万ムー(約730平方キロ)に及ぶ。隆平生物技術や中国農業発展集団などの種苗企業88社が進出し、農業技術の実用化に関連する取引額は1億元(1元=約19円)を超える。
中原農谷の主導により、河南省の主要農作物の優良品種カバー率は97%に達し、穀物生産量は8年連続で6500万トン以上を維持。毎年225万トンの優良品種の種子を全国に供給している。
同省は、1兆元規模の現代食品産業クラスターの強化に加え、コールドチェーン食品、先進農業機械設備という二つの1千億元規模の産業連合の拡大を進めており、穀物、畜産、油脂・油糧、特色ある青果、農村工業、農村現代サービスの六つの産業クラスターの育成にも注力している。
中原農谷の神農種業実験室。(2024年5月31日撮影、鄭州=新華社記者/刘力航)
河南省には現在、一定規模(主要業務の年間売上高2千万元)以上の農産物加工企業が6千社以上あり、全国のインスタントラーメンの3分の1、饅頭(マントウ=蒸しパン)の4分の1、湯円(タンユエン=もち米団子)の5分の3、水餃子の7割、酸辣粉(サンラーフェン=辛味と酸味がある春雨スープ)の8割を生産している。
河南省農業農村庁によると、同省は牧原食品(養豚)や衛竜美味(スナック食品)、双匯(そうかい)集団(食肉加工)など農業工業化で全国的に知られる大手企業122社を育成し、その数は全国第2位となっている。
同庁の孫巍峰(そん・ぎほう)庁長は、今後は現場での集中的な販売促進や常設の展示販売を組み合わせたプロモーション活動を幅広く展開し、より多くの良質な河南省農産物を世界市場へ送り出したいと語った。(記者/李文哲)
河南省鄭州市の企業、三全食品の工場で働く従業員。(2024年12月25日撮影、鄭州=新華社記者/刘力航)
河南省鄭州市の企業、三全食品の工場で生産される湯円。(2024年12月25日撮影、鄭州=新華社記者/刘力航)