インドネシア・バンドンにあるアジア・アフリカ会議記念博物館の外観。(2024年3月7日撮影、バンドン=新華社記者/徐欽)
【新華社北京4月21日】インドネシアのバンドンで1955年4月、アジア・アフリカの29カ国・地域の代表が第1回アジア・アフリカ会議を開催し、「団結、友好、協力」のバンドン精神がグローバルサウスの目覚めを象徴した。この70年間、バンドン会議から非同盟運動、77カ国グループ(G77)、さらには今なお拡大と発展を続けるBRICS協力体制に至るまで、グローバルサウスは時代の先頭に立ち、国際平和の維持や世界発展のけん引、グローバルガバナンスの改善でますます重要な力となり、人類の歴史の歩みを大きく変えつつある。
ベナン・コトヌ市の大統領府で行う文化財の返還を祝うイベント。(2021年11月11日撮影、コトヌ=新華社配信)
西側列強は15世紀から、暴力的な手段でアジアやアフリカ、中南米地域に対して侵略の拡大と植民統治を進め、19世紀末から20世紀初頭には帝国主義の植民地体制がアジアとアフリカ地域のほぼ全体を覆い尽くした。そうした中で1955年、西側の植民国家が参加しない国際会議のバンドン会議が開かれ、新興のアジア・アフリカ諸国が反帝国、反植民地主義を旗印に主権と独立の維持を強調し、近代の国際関係史に鮮烈な1ページを記した。バンドン会議は世界中の抑圧された民族と人民が民族独立を守る信念を大いに鼓舞し、反帝国主義、反植民地主義の闘争を新たな段階へと押し上げた。
中国の援助で1970年代に建設されたタンザン鉄道(タンザニア-ザンビア)の始発駅、ダルエスサラーム駅。(2024年1月16日撮影、ダルエスサラーム=新華社配信)
グローバルサウス諸国は、共通する歴史的体験を通じて独立自主の政治的基調を形作っており、バンドン精神は団結と協力に重要な指針を与えている。
中国は常にグローバルサウス諸国と苦楽を共にし、反帝国主義、反植民地主義の闘争を断固支持してきた。71年10月25日の第26回国連総会では、アジア・アフリカ・中南米諸国の力強い支持を受けて、国連における中華人民共和国の合法的議席が回復された。決議が採択された瞬間、会場のアジア・アフリカ・中南米各国代表は歓声を上げ、互いに抱き合って祝った。
中国人民は49年の新中国成立以来、自力更生と刻苦奮闘により、立ち上がり、豊かになり、そして強くなるという偉大な飛躍を遂げた。中国の発展成功の経験は、独立自主が一つの民族が世界の民族の中で自立するための基盤であることを証明するとともに、グローバルサウス諸国には、西側諸国への依存から脱却し、自国の問題を適切に処理し、民族経済を発展させ、自らの運命を掌握する力が完全に備わっていることを示している。
インドネシア・バンドン駅の外観。(2024年3月6日撮影、バンドン=新華社記者/徐欽)
バンドン会議の開催は、発展途上国が経済的に連携し、自立を目指す歴史の新たな1章の幕開けとなった。これを契機に、発展途上国は建設と改革を両輪として進め、国際経済秩序がよりオープンかつ包容的で、あまねく恩恵をもたらす均衡の取れた方向に進むよう努力してきた。現在、グローバルサウスの経済規模は世界の40%を超え、世界経済の成長に対する寄与率は80%に達している。
しかしながら、国際貿易や金融システム、知的財産権保護などの重要分野では構造的な不平等が依然として存在し、グローバルサウス諸国の発展する権利は十分に保障されていない。グローバルサウス諸国は台頭に向けた数々の試練に直面しながらも、単独主義や保護主義、貿易上のいじめ行為に反対する時代の強い声を共に発し、連携しながら包摂的な経済のグローバル化を推進している。
上海市浦東新区にあるBRICS新開発銀行の本部ビル。(2022年6月17日、ドローンから、上海=新華社記者/方喆)
中国はバンドン精神の実践者として、多国間主義の提唱や南南協力の推進、さらなる地域一体化、あるいは発展途上国への援助、グローバルサウスの発言権向上、グローバルガバナンス体系改革・改善への参画といった面で、一貫して幅広い発展途上国と同じ側に立ち続け、建設的な役割を果たしてきた。
10年前、中国の習近平(しゅう・きんぺい)国家主席はバンドンで開かれたアジア・アフリカ首脳会議で「新しい情勢の中、バンドン精神はなおも強い生命力を持っている。われわれはバンドン精神を大いに発揚し、それに時代的意義を与え続け、協力とウィンウィンを核とした新型国際関係の構築を推進し、国際秩序と国際体制をより公正で合理的な方向に発展させ、人類運命共同体の構築を推し進め、アジア・アフリカおよび他地域の人々にさらなる恩恵をもたらさなければならない」と述べた。
北京国家会議センター付近に設置された、2024年中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)サミットのオブジェ。(2024年9月5日撮影、北京=新華社記者/李鑫)
2024年6月に北京で開かれた「平和共存5原則」発表70周年記念大会において、習氏はグローバルサウスに向けて「一層開放的かつ包摂的な姿勢をもち、人類運命共同体の構築を推進する先頭に立とう」と呼びかけ、共に「平和維持の安定した力」「開放的な発展の中堅的な力」「グローバルガバナンスの建設的な力」「文明間の相互学習を促進する力」となることを提唱した。
パダララン駅でジャカルタ・バンドン高速鉄道の列車を背景に自撮りする乗客。(2024年10月17日撮影、ジャカルタ=新華社記者/徐欽)
歴史のてんびんは新たに調整されつつある。グローバルサウスは現在、ますます自信を持って歴史の主体として人類文明の進歩に貢献し、人類運命共同体の構築という偉大な事業の中で新たな時代の力を発揮し続けている。