貴州省で4億8千万年前の「地下水晶宮」を発見

貴州省で4億8千万年前の「地下水晶宮」を発見

新華社 | 2025-04-18 16:17:19

洞窟内を調査する探検隊員。(2月1日撮影、遵義=新華社配信/趙掲宇)

 【新華社貴陽4月18日】中国貴州省遵義市道真コーラオ族ミャオ族自治県にあるオルドビス紀のドロマイト(炭酸塩鉱物)岩石群でこのほど、かんがいのために掘られた導水トンネルから4億8千万年前の地層に埋もれていた洞窟が偶然見つかった。

 中国地質学会洞穴専門委員会の趙掲宇(ちょう・けいう)副秘書長は、洞窟のあるエリアは人里から離れ、大沙河国家級自然保護区にも隣接していることから、極めて良質な水源を持つと指摘。数百メートルのドロマイト層によるろ過により水の純度も高く、世界でも稀な「洞窟積物の遺伝子バンク」を形成していると説明した。

探検隊員が洞窟内で発見したケイブパール。(2月1日撮影、遵義=新華社配信/趙掲宇)

 洞穴内にはドームの天井の高さが100メートル以上の場所もあり、天井の水滴が落下の過程で炭酸水素カルシウムを豊富に含む「エアロゾル」となり、石筍(せきじゅん)や洞窟の底に凝結して石花や石枝、石ブドウ、石サンゴなどの奇観をつくり出している。砂粒などに炭酸塩鉱物の結晶が沈積して形成されたケイブパール(洞窟真珠)も多数発見された。

 趙氏は「洞窟で生成された堆積物は白玉のように純度が高く、国内の他の洞窟では見られない」と指摘。今回の調査で見つかった広さ数万平方メートルのホールには、千本以上の純白の鍾乳石や石筍が氷の結晶の森のような景観をつくり、雪のような白い質感は水中の炭酸カルシウムの純度が極めて高く、不純物が少ないことを示していたと説明し「洞窟内の堆積物や規模、性質、種類はわれわれの認識を完全に覆した」と述べた。

洞窟内を調査する探検隊員。(2月1日撮影、遵義=新華社配信/趙掲宇)

 世界ジオパークの審査員も務める中国地質学会洞穴専門委員会の張遠海(ちょうえんかい)副主任委員は「これまで理論モデルでしか見られなかったカルシウム膜の錐体結晶などの多くの形態がここでは集団で存在している。国内では研究調査や性質の面で唯一無二の存在と言える」と語った。(記者/劉勤兵)

 探検隊員が洞窟内で発見したケイブパール。(2月1日撮影、遵義=新華社配信/趙掲宇)

 探検隊員が洞窟内で発見した鍾乳石。(2月1日撮影、遵義=新華社配信/趙掲宇)

 探検隊員が洞窟内で発見した「鵝管石(がかんせき=筒状の鍾乳石)」。(2月1日撮影、遵義=新華社配信/趙掲宇)

 洞窟内を調査する探検隊員。(2月1日撮影、遵義=新華社配信/趙掲宇)

 探検隊員が洞窟内で発見した「石ブドウ」の上の「石花」。(2月1日撮影、遵義=新華社配信/趙掲宇)

 探検隊員が洞穴内で発見した雲のような鍾乳石。(2月1日撮影、遵義=新華社配信/趙掲宇)

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