第12回中国インターネット視聴会議の会場。(3月28日撮影、成都=新華社記者/李倩薇)
【新華社成都4月15日】中国ではここ数年、ショートドラマを含むネット映画・ドラマ、ネット文学、ネットゲームが中国文化の海外進出の「新三様」(新たな定番3品目)となっている。
国家広播電視(ラジオ・テレビ)総局国際協力司のデータによると、中国のショートドラマを視聴できる海外のアプリはすでに300個を超え、世界でのダウンロード数は累計で延べ4億7千回以上となり、中国の短編ドラマは世界200以上の国・地域に広がっている。
第12回中国インターネット視聴会議の会場。(3月28日撮影、成都=新華社記者/辺思琪)
2024年は中国初のAAAタイトル(多額の開発費を投入した超大作、AAA=トリプルエー)アクションRPG「黒神話:悟空」が世界を席巻し、上海米哈游網絡科技(miHoYo)のオープンワールド型アクションRPG「原神」などのゲームのダウンロード数が100以上の国・地域で首位に立った。中国電子書籍大手の閲文集団(チャイナ・リテラチャー)傘下の海外版ポータルサイト「起点国際」(WebNobel)で公開されている中国ネット文学の翻訳作品は約6千作に上り、多くの言語に対応している。
こうしたデータは中国文化の「新三様」のユニークな魅力を裏付けている。24年の中国ゲームメーカーの海外売上高は185億5700万ドル(1ドル=約144円)、オンラインゲームプラットフォーム「Steam」でプレイできる中国産ゲームは1600種類を超え、前年比約45%増えた。24年版の「中国ネット文学海外進出動向報告」によると、中国ネット文学業界の海外売上高はすでに43億元(1元=約20円)を超える。
中国の動画配信大手、愛奇芸(iQIYI)映画・海外事業郡の楊向華(よう・こうか)総裁によると、中国ネットドラマの海外進出は「作品の輸出」から「制作能力の輸出」へとシフトしつつある。同社はすでにシンガポール、タイ、マレーシア、北米などに現地法人や事務所を設立しており、国際版のユーザーインターフェースと字幕は12言語に対応し、世界190以上の国・地域に8千話以上の中国映画・テレビ作品を配信している。
新技術が「新三様」の海外進出の重要な駆動力となりつつある。人工知能(AI)技術の支援のもと、ネットドラマとネット文学の翻訳のレベルと効率は大幅に向上した。「起点国際」が24年に新たに配信したAI翻訳作品2千作を超え、前年比20倍も増加した。
第12回中国インターネット視聴会議の会場。(3月28日撮影、成都=新華社記者/李倩薇)