奥迪一汽新能源汽車の溶接工場。(3月21日、ドローンから、長春=新華社記者/司暁帥)
【新華社長春4月15日】ますます多くの外資企業が中国における新エネルギー車(NEV)の新たなチャンスを狙い、事業の立ち上げ、研究開発の実施、協力の促進などを通じて投資を追加し、対中投資を増やしている。
ドイツ自動車大手アウディと中国第一汽車集団との合弁会社「奥迪一汽新能源汽車」のヘルムート・ステットナー最高経営責任者(CEO)は「自動車産業は既存のエンジン車から新エネ車へと移行しつつあり、中国市場は巨大な成長空間を提供している」と話し、アウディはこの発展プロセスに関わる決意と意欲があると述べた。
本土技術の進化・更新から、外国の老舗メーカーは競争の中で変革の原動力と方向性を見つけ、積極的に事業を調整し、協力やウィンウィンを探っている。
ドイツ自動車大手BMWはこのほど、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と連携協定を結んだ。ファーウェイ開発の基本ソフト(OS)「鴻蒙(ホンモン、Harmony)」エコシステムとの深い融合を中国で進め、複数のデジタルサービスや多角的なスマート応用・機能を提供する計画。ドイツ自動車大手メルセデス・ベンツは、中国のパートナーと自動車分野の電動化とデジタル化を共同で推進している。米電気自動車(EV)大手テスラは、米国外で初となる大型蓄電システム「メガパック」の工場を中国に設立した。中国で生産した商用蓄電池を搭載した第1弾の貨物船がこのほど、上海港からオーストラリアに出発した。
清華大学公共管理学院の高宇寧(こう・うねい)副院長は「中国の新エネ車市場の大きな成長性、改善が続くビジネス環境、産業チェーン・サプライチェーン(供給網)の整備・円滑化は、外資自動車メーカーが中国への投資に意欲的となり、深く開拓する重要な要因になる」と述べた。
中国消費者の技術イノベーションに対するオープンな態度と、自動車購買時のスマートでコネクテッドな技術への関心から、外資自動車メーカーは改革の方向性を見出し、新たなビジネスチャンスを見つけている。
吉林省長春市にあるテスラセンターの販売員は、顧客はこれまで、航続距離やコストパフォーマンスなどに関心を示していたが、今はスマート装備を重視していると紹介。スマートキャビンや自動駐車などが不可欠となったとした。
中国に進出する外資企業は、中国市場の需要に見合う新車種の開発を未来に向かう鍵と考えている。中国消費者の習慣と好みに合うスマート運転、コネクテッド技術、エコモビリティーを積極的に打ち出し、市場の獲得を目指している。
アウディのゲルノート・デルナーCEOによると、同社はスマート化、コネクテッド化、持続可能性をブランドに組み込むことに注力しており、中国本土のイノベーション技術を速やかに活用し、中国のパートナーと手を携えて新製品を開発したいと述べた。
第一汽車とドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)はこのほど戦略提携協定を結んだ。双方は26年以降、中国市場向けの「一汽・VW」「ジェッタ」ブランドの新車種11種を投入する計画という。VW中国のラルフ・ブランドシュテッター会長兼CEOは「全ての動力源の車種を網羅すると同時に新エネ車分野を重視し、中国顧客の高度化需要に応える」と意気込みを示した。