【新華社北京4月12日】中国のユニコーン企業(評価額10億ドル以上の未上場企業、1ドル=約144円)数は409社を数え、世界の30%近くを占める。うち北京市のユニコーン企業は115社と数年連続で中国の省・自治区・直轄市で1位、評価額は5949億ドルで世界トップ3を維持した。同市でこのほど開催された2025中関村フォーラム年次総会で「中国ユニコーン企業発展報告(2025)」が発表され、明らかになった。
同市のユニコーン企業のうち、「硬科技(ハード・アンド・コア・テクノロジー)」を手掛ける企業は71・3%を占めた。5年間で28・3%増え、年平均7%の伸び率を維持し、商業宇宙や集積回路(IC)などの技術領域で世界をリードする重要なイノベーションの成果を多数生み出している。
市内には全国重点実験室数が77カ所あり、総数の3分の1近くに上る。24年に国が授与する科学技術分野の三大賞を受賞した同市の成果は58件で、全国の約3割を占めた。
24年末時点の同市のテクノロジー企業向け貸出残高は1兆1400億元(1元=約20円)と前年末比10%増、貸出先企業数は12%増加した。同市は8本の政府産業投資基金を組成し、1千億元以上の投資規模で「新たな質の生産力」(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)の発展を支援している。
同市は現在、新興産業と未来産業への布石を積極的に打っており、人工知能(AI)や医薬品・ヘルスケアなど30件余りの詳細な産業政策を打ち出した。未来産業の革新的な発展を促す実施プランも発表し、細胞・遺伝子治療や第6世代移動通信システム(6G)、量子情報、新型エネルギー貯蔵など20の新分野と新市場で先を見据えた措置を講じ、潜在的なユニコーン企業の育成と発展を加速させている。