農村部の高齢者ケアに尽力 中国山西省懐仁市

農村部の高齢者ケアに尽力 中国山西省懐仁市

新華社 | 2025-04-11 16:57:28

懐仁市高齢者ケア機関「幸福老年之家」の自室でテレビを見る高齢者。(3月11日撮影、懐仁=新華社記者/解園)

   【新華社太原4月11日】中国では高齢化のペースが加速する中、高齢者のケアに関心が高まっている。子どもが出稼ぎに出ているケースが多く、収入も低い農村部の高齢者をいかにケアするかは、とりわけ配慮の必要な問題となった。山西省北部の懐仁市では、ケア施設の設立やコミュニティーサービスの充実が図られている。

   同市の新家園郷にできた「新家園郷暖巣敬老院」は、地元初のスマート老人ホームだ。入居者の健康を守る強力なツールとしてウエアラブルデバイスを活用し、心拍数、血圧、睡眠、歩数などをスマートバンドで測定、介護スタッフや家族の携帯電話にデータをリアルタイムで送信している。

懐仁市の老人ホーム「新家園郷暖巣敬老院」のスマートスクリーン。(3月11日撮影、懐仁=新華社記者/解園)

   新家園郷暖巣敬老院の入居者の張文金(ちょう・ぶんきん)さん(86)は、入居してから午後の散歩が日課になった。1日当たりの平均歩数は700歩ほどから1400歩以上に増えたという。「以前は歩くことを特に気にしていなかったが、スマートバンドを着けてから毎日できるだけたくさん歩くようになった」と話す。

   同敬老院はスマートマットレスとサーモグラフィカメラを使い、入居者がベッドを離れると通知される仕組みも開発した。施設の責任者、林広立(りん・こうりつ)さんは「高齢者のプライバシーを守りつつ、長時間ベッドを離れている時など、転倒などしていないかタイムリーに確認できる」と説明する。

懐仁市の老人ホーム「新家園郷暖巣敬老院」の入居者用ベッド。(3月11日撮影、懐仁=新華社記者/解園)

 別の村に住む趙四祥(ちょう・ししょう)さんは、自宅に住みながら介護サービスを利用するより経済的な方式を選んだ。以前は食事の支度が最大の悩みだったが、村に設立されたデイケアセンターで、肉料理と野菜料理、主食2種類の食事を毎日わずか3元(1元=約20円)で食べられるようになった。「午後は村の高齢者がみんな来て、テレビを見たり、トランプをしたり。全く孤独を感じない」という。

懐仁市のデイケアセンターでトランプをする高齢者。(3月11日撮影、懐仁=新華社記者/解園)

   同市は高齢者ケア機関「幸福老年之家」を中心に、地域ケアセンターを5カ所、コミュニティーの小型ケア機関を多数配置するケアモデルを構築。高所得者から中低所得者、政府支援対象者までさまざまな層の介護ニーズに対応している。幸福老年之家の責任者、陳永林(ちん・えいりん)さんは「これからもサービスをさらに充実させ、より多くの高齢者が適切で満足できるケアを受けられるよう支援したい」と語る。

   中国政府は今年、政府活動報告で、要介護高齢者のケアを強化し、高齢者向けの食事サービスを増やし、農村部の高齢者ケアサービスの発展を推進する必要があると指摘している。(記者/解園)

懐仁市の高齢者ケア機関「幸福老年之家」の娯楽室で麻雀をする高齢者。(3月11日撮影、懐仁=新華社記者/解園)

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