無人埠頭、京杭大運河の水上輸送発展を後押し 中国山東省

無人埠頭、京杭大運河の水上輸送発展を後押し 中国山東省

新華社 | 2025-04-09 15:18:13

山東省済寧市にある竜拱港のふ頭のバースに入る輸送船。(3月19日撮影、済寧=新華社記者/蕭海川)

 【新華社済南4月9日】中国山東省済寧市任城区にある竜拱港埠頭(ふとう)にこのほど、数隻の輸送船が停泊した。これらの船は浙江省杭州市と北京市を結ぶ京杭大運河の主航路から支流の竜拱河に入り、500メートル余り航行して到着した。

 同埠頭では、全体を見渡しても港湾作業に従事する人の姿をほとんど見かけない。ガントリークレーンやコンテナトラックの運転席があるはずの場所には誰もいない。しかし、数百メートル離れた4階建ての建物の中に入ると、数面の大型スクリーンにバースやコンテナヤード、鉄道貨物ヤードの状況がリアルタイムで表示されている。ガントリークレーンのオペレーターは左右の手でそれぞれ操作レバーを握り、クレーンを遠隔操作している。また、電動コンテナ無人トラックのオペレーターは制御コンソールの前に座り、複数の車両の運行状況をリアルタイムで監視している。

画面を見ながら遠隔操作を行うガントリークレーンのオペレーター。(3月19日撮影、済寧=新華社記者/蕭海川)

 同港の建設・運営を担う済寧港航竜拱港の趙祥巨(ちょう・しょうきょ)副総経理によると、同港は国内の海港における全自動化ふ頭配置の経験を参考に、京杭大運河の水上輸送の特徴に合わせ、産業用第5世代移動通信システム(5G)専用ネットワークを導入。人工知能(AI)、デジタルツイン、北斗衛星ナビゲーションシステムなどの最先端技術の成果を活用して、中国では珍しい内陸河川の全工程自動化コンテナ港を建設した。同港では、1人のオペレーターが複数の自動レール式クレーンを同時に監視し、約2分でコンテナ1個の作業プロセスを全て実行することができる。

 同時に、道路と鉄道、水上輸送からなる「複合輸送」が同港に目覚ましい活気を与えている。趙氏は「竜拱港の2023年のコンテナ取扱量は12万TEU(20フィートコンテナ換算)だったが、24年には22万5千TEUに達した。今年は3月20日時点で前年同期比39%増の5万9千TEUとなっている」と述べた。(記者/蕭海川)

埠頭に入り、コンテナ輸送の準備をする電動コンテナ無人トラック。(3月19日撮影、済寧=新華社記者/蕭海川)

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