春本番 中国各地で創意あふれる「花見経済」

春本番 中国各地で創意あふれる「花見経済」

新華社 | 2025-04-08 21:45:41

   山東省済南市の五竜潭公園で桜を観賞する観光客。(済南=新華社記者/徐速絵)

   【新華社北京4月8日】清明節は中国で墓参りの日として知られるが、自然に親しみ、春を感じる良い機会でもある。オンライン旅行サイトのデータによると、清明節連休(4~6日)中の「花見」関連検索数は前年同期の3・2倍に増え、携程集団(トリップドットコム)での花見ツアー予約数は前月同期比45%増となった。各地域が春の花を目いっぱい活用し、さまざまなアクティビティーを観光客に提供、創意あふれる「花見経済」を形成している。

   各地の農村では花畑がアグリツーリズムを活性化させている。四川省成都市の複数の農村は、地域の特性を踏まえた宿泊施設を整備し、娯楽やレジャー、ネットで人気の民泊施設、地元ならではのグルメが一体となった経済圏を生み出している。

   山東省済南市の南部山岳地帯で民泊施設を経営する蘇叢(そ・そう)さんは「清明節中の客室予約は半月前にすべて埋まった」と語る。目当ては付近の花見スポットだ。フリーランスの写真家、王照華(おう・しょうか)さんによると、ここ1カ月ほどは写真撮影の予約が特に多くなった。「撮影スケジュールは基本的に毎日ぎっしりで、複数の景勝地を行き来することもしばしば。多くの観光地が観光客を呼び込むため『花の経済』発展に知恵を絞り、観光体験の向上に取り組んでいる」

   雲南省昆明市の市場で食材として販売されている花。(動画のスクリーンショット、昆明=新華社記者/曽維)

   地元の独特な生態環境を利用して「花を用いた健康増進」の発展を図る地域も多い。雲南省の姚安県や保山市では花を食材にしたグルメが人気を呼んでいる。花や植物を通じた豊かな暮らしを提案する「フラワーセラピスト」もおり、生け花の知識や美的感覚、心理学の知識を生かし、顧客の健康な心身の維持をサポートしている。

   山東大学文化・観光研究センターの王晨光(おう・しんこう)所長は「春季のピクニックや花見は大きな経済的価値を持つ観光分野だ」と語る。今や花見は農村でしか楽しめないものではなくなり、多くの都市が郊外や市街地にある公園や緑地で「花見経済」を利用したキャンプやマルシェ、散策などの新しいモデルを開拓し、文化観光消費の新たな成長セクターを生み出しているという。(記者/沈氷潔)

   3日、西蔵自治区林芝(ニンティ)市で始まった第22回桃花観光文化フェスティバルの会場の一つとなった朶当(だとう)村を散策する観光客。(ニンティ=新華社記者/丁増尼達)

   4日、天津市五大道地区の大理道で、カイドウの花をテーマにしたアイスクリームを撮影する観光客。(天津=新華社記者/趙子碩)

   4日、天津市五大道地区の大理道で、伝統衣装を着て写真を撮る観光客。(天津=新華社記者/趙子碩)

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