中国の研究者、1万6千年前の人類の顔を復元

中国の研究者、1万6千年前の人類の顔を復元

新華社 | 2025-04-06 21:30:37

   【新華社南寧4月6日】丸顔で切れ長の目、高くはないが筋の通った鼻、適度に厚みのある唇、柔らかな輪郭――。中国広西チワン族自治区にある婭懐洞(あかいどう)遺跡から見つかった約1万6千年前の人類の頭骨化石にこのほど、幾何学的形態測定分析と3Dによる顔の復元が行われ、先史時代の人類の顔の特徴が明らかになった。中国南部の初期人類の身体的特徴や顔の形態学的特徴の進化の研究に、重要な技術的手法と参考資料を提供する。研究成果は考古学の国際学術誌「Journal of Archaeological Science)に掲載された。

   婭懐洞遺跡は、南寧市隆安県の博浪村にある山で2014年に発見された石器時代の洞窟遺跡で、15~18年に広西文物保護・考古研究所が行った発掘調査で旧石器時代の墓が見つかり、頭骨化石が出土した。

   同研究所の研究員で広西師範大学の招聘教授の謝光茂(しゃ・こうも)氏は「婭懐洞遺跡で見つかった墓は、北京市の山頂洞人の墓に次ぎ、中国で2番目に見つかった旧石器時代の墓となる」と指摘する。出土した頭骨は、中国南部でこれまでに発見された中で唯一、地層の層位が明確で信頼できる年代測定が可能なほぼ完全な状態の人類の頭骨化石。後期更新世の初期現生人類の多様性や集団の移動、交流および旧石器時代後期の人類の埋葬習慣を研究する上で重要な学術的価値を持っている。

   研究の結果、頭骨のサイズは現代の女性より大きいが、男性より小さく、幾何学的形態は現代の男性と女性のいずれの特徴も備えているが前頭骨(額)が盛り上がっている点で、より女性に近いことが分かった。また研究チームが頭骨の顔面部と脳弓上部の形態をそれぞれ分析した結果、現代人の頭骨とは大きな違いがあることが明らかになった。

   同自治区は東アジアと東南アジアを結ぶ重要な通路であり、先史時代における両地域間の文化交流・伝播の回廊でもあった。謝氏は「この頭骨化石を詳細に研究することは、中国南部の初期人類の身体的特徴について理解を深める助けになり、先史時代の人類がどのように地域を移動し拡散したかなどの学術的な問いを解明する上で大きな意義がある」と語った。(記者/黄凱瑩、農冠斌)

 

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