【新華社ブリュッセル4月3日】米国の現政権が欧州への冷遇と軽視の姿勢を強めるにつれ、欧州の人々の対米感情に変化が現れつつある。米国の対欧政策への疑問や米国が依然として信頼できる同盟国であるか否かへの懸念から、米国製品のボイコットを通じて不満と怒りを表明するまでに悪化している。
最近はテスラ車が第一の標的となっている。3月31日早朝、イタリアの首都ローマ郊外にあるテスラの販売店で火災が発生し、少なくとも電気自動車(EV)17台が焼失した。消防当局は放火の可能性を排除できないとしている。以前にも、イタリアのミラノと英国ロンドンにある販売店で抗議デモが行われた。ドイツでは、政治的な理由からテスラ車を売却するオーナーが増えている。
欧州の世論は総じて、テスラが欧州で反感を買う原因について、同社創業者兼最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏が欧州の極右政党を支持する発言や行動が幅広い不満を招いていることに関係するとみている。さらに重要なのは、トランプ米大統領がグリーンランドの併合を主張し、欧州に対して「関税のこん棒」を振りかざし米欧関係がますます緊張していることで、トランプ大統領と緊密な関係にあるマスク氏に影響が及ぶのも自然な流れと言える。
仏世論研究所(Ifop)が3月中旬にフランス国内の18歳以上を対象に実施した無作為抽出調査によると、米国の欧州冷遇を受けて、米国企業の製品を買いたくないと答える人が増え続けており、回答者の約3分の1が米国企業の製品をボイコット中だとして、マクドナルド、コカ・コーラ、テスラをボイコット対象の筆頭に挙げた。
米国の最近の対欧政策と関連する発言により、欧州の旅行者の間では米国に対する好感度や旅行意欲も低下している。主に教育旅行を手がけるドイツの旅行会社Studiosusは、米国行きの旅行市場が既に冷え込んでいるとみる。同社の広報担当者は「現時点で米国行きの新規予約はほとんどない」と語った。
デンマーク自治領のグリーンランドでは、米国へのより直接的な反対の声が上がっている。多くの地元住民は「米国は近づかないでほしい」という意思を示した。住民のローランド・ハルマリさんは新華社の取材に対し「われわれはトランプに反対だ。彼は『君たちを買うことができる』というようなことを言おうとしている。そんなものは受け入れない。彼はわれわれの鉱物資源と石油資源を手に入れたがっている。ここには黄金や鉱物、石油がたくさんある。それが狙いに違いない」と語った。
ウクライナ危機に関する意見の相違や関税問題も、欧州と米国の関係を冷え込ませている。3月14日、数万人のイタリア市民が首都ローマの中心部で集会を開き、米国政府が「防衛と貿易の分野で欧米の分断を引き起こそうとしている」ことに反対し、防衛と経済政策における欧州連合(EU)の戦略的自律の強化を求めた。
チェコの投資アドバイザー、ビクトル・ベルグマン氏は、米国の経済政策や保護主義的な関税措置について「きわめて近視眼的」であり、欧州と米国の双方で物価上昇、インフレの加速、社会的不満の高まりを招き、より深刻な高失業率と社会不安を引き起こす可能性があるとの見方を示した。(記者/陳斌傑)