中国・中関村フォーラム、人型ロボットの進化に注目集まる

中国・中関村フォーラム、人型ロボットの進化に注目集まる

新華社 | 2025-04-01 10:41:53

3月29日、中関村フォーラム年次総会で、ゲストを迎える受付担当の人型ロボット。(北京=新華社記者/魏夢佳)

 【新華社北京4月1日】中国北京市で3月27日~31日、テクノロジー分野の一大イベント、2025中関村フォーラム年次総会が開催され、汎用人工知能(AGI)や身体性を持つ人工知能(エンボディドAI)、人型ロボットなどが主な議論の対象となった。展示ホールでは、さまざまな人型ロボットが自在に行き来して、来場者と握手を交わし、楽器演奏を披露する姿が見られた。大規模言語モデルを基盤に構築されたシステム「中関村フォーラムエージェント」と企業15社の人型ロボット約100体が協力し参加者をもてなした。

 業界関係者によると、エンボディドAI技術の急速な発展に支えられ、中国の人型ロボットは現在、反復と進化を加速させており、生産や生活の場での実用化が進みつつある。

3月27日、中関村フォーラム年次総会の会場で、四足歩行ロボットがパフォーマンスする様子を撮影する人々。(北京=新華社記者/魏夢佳)

 北京人型ロボットイノベーションセンターが開発した「天工Ultra」は時速12キロで歩行し、高さ35センチの段差を登る能力があり、今月北京市で開催される人型ロボットハーフマラソン出場に向け現在調整を進めている。深圳市優必選科技(UBTECH ROBOTICS)の人型ロボット「Walker S1」は、ドイツ自動車大手アウディと中国第一汽車集団との合弁子会社、奥迪一汽新能源汽車の生産拠点に導入され、エアコンのガス漏れ検査を担当している。中国の人型ロボットは近く、さまざまな分野で注目を集め続けている。

3月29日、中関村フォーラム年次総会の展示会場で、サッカーをするロボット。(北京=新華社記者/魏夢佳)

 国家地方共建具身智能機器人(エンボディドAIロボティクス)イノベーションセンターは、昨年の汎用人型ロボットハードウエアマザープラットフォーム「天工」の発表に続き、今年3月には汎用エンボディドAIプラットフォーム「慧思開物」を発表した。同センターの熊友軍(ゆう・ゆうぐん)総経理は「『慧思開物』は人型ロボットに『大脳』と『小脳』を搭載したもので、関連シナリオの学習を完了すると、応用展開を終えるまでの時間が大幅に短縮される。既に特定の危険作業やスマート製造などの分野でロボットに人間の作業を代替させるテストを実施している。将来的にはより多くの応用分野を積極的に探っていきたい」と述べた。

3月29日、中関村フォーラム年次総会の会場で、来場者にコーヒーを入れるロボット。(北京=新華社記者/魏夢佳)

 中国工業情報化部のデータによると、2024年7月時点で中国が保有するロボット関連の有効特許件数は世界の約3分の2を占める19万件を超えた。中国電子学会の徐暁蘭(じょ・ぎょうらん)理事長によると、AIに代表される新技術はイノベーションの爆発期にあり、AIによってロボットの能力が顕著に高まっている。同学会は、2030年までに国内の人型ロボットの市場規模が約8700億元(1元=約21円)到達することもあり得るとしている。(記者/陽娜、魏夢佳)

3月27日、中関村フォーラム年次総会の展示ブースで、機器を装着し「エンボディド・デュアルアーム・リフト・プラットフォーム」という名称のロボット関連製品を紹介する開発企業の従業員。(北京=新華社記者/魏夢佳)

3月27日、中関村フォーラム年次総会の会場で人型ロボットの顔に触れながら撮影する来場者(左)。(北京=新華社記者/魏夢佳)

3月29日、中関村フォーラム年次総会の会場で絵を描くロボット。(北京=新華社記者/魏夢佳)

本ウェブサイトに関するご意見、ご提案等が

ありましたら xinhuanetjp@news.cn までご

連絡ください。