シールドマシン「滄淵号」。(資料写真、常熟=新華社配信)
【新華社南京4月1日】中国江蘇省常熟市で3月26日、中国が独自に開発した超大口径シールドマシン「滄淵号」が完成した。今後、同省で建設中の国内最長となる水底トンネル「海太長江トンネル」の左線掘削作業を担う。
「滄淵号」は交通インフラ大手、中国交通建設傘下の中交天和機械設備製造が開発。掘削直径が16・66メートルあり、全長は176メートル、総重量は5650トンを超える。
同社の楊輝(よう・き)総工程師は「『滄淵』は大海の古称。海太長江トンネルは江蘇省の長江河口域に位置し、新たな『万里の長江第一のトンネル』と呼ばれる」と紹介した。
海太長江トンネルは、同省南通市海門区から蘇州市管轄の太倉市と常熟市までを結ぶ。中国交通建設傘下の中交隧道工程局が建設を請け負う左線の全長は39・07キロで、シールドトンネル部分は9327メートルとなっており、最大埋設深度は75メートルを超える。
楊さんによると、大深度かつ高水圧の環境下で長距離連続掘削を行い、トンネルの沈下をミリメートル単位で制御するため、研究開発チームは「デジタル頭脳」や「智刃鉄歯」「スマート心臓」と呼ばれる各機能を同機に搭載した。「デジタル頭脳」はワンキー始動や自律掘進、スマート診断が可能でシールドマシンの故障率を低減する。カッタービットの「智刃鉄歯」は石英砂含有量が約65%の地層において一度も交換することなく2千メートルを掘削できる。「スマート心臓」は、シールドマシンの主軸受の過負荷を防ぐだけでなく、トンネルセグメントの組み立て品質を監視し、セグメントの組み立てとトンネル掘削を同期させることで、施工効率を大幅に高めるという。
同社海太長江トンネル建設プロジェクトの莫康康(ばく・こうこう)機電総工程師によると、同機は今後いったん分解され水陸一貫輸送で海門区まで運ばれる。建設現場で組み立てと調整が行われ、施工に投入されるのは7月ごろを見込んでいる。(記者/陳席元)