26日、ボアオ・アジアフォーラム2025年年次総会の中日企業家対話会に出席した武藤敏郎氏。(ボアオ=新華社記者/杜瀟逸)
【新華社ボアオ3月30日】中国海南省瓊海(けいかい)市博鰲(ボアオ)鎮で開かれたボアオ・アジアフォーラム2025年年次総会で26日、フォーラムの武藤敏郎理事が新華社のインタビューに応じた。
日本・東京で22日に開かれた第6回中日経済ハイレベル対話は、両国の経済発展により大きなスペースを作り出しただけでなく、実業界にも協力の方向性を示した。武藤氏は「日中韓の自由貿易協定(FTA)は以前からの課題で、今も交渉の過程にある。早く具体化する必要がある」と述べた。
十数年前にパネリストとしてボアオ・アジアフォーラムに出席した武藤氏は今回、数年ぶりにボアオを訪れ、中国の変化を強く感じたという。今の中国は日本の最大の貿易相手国だとし「中国から学ぶことも多くなっている」と感慨深げに語った。
武藤氏は、半導体製造装置や集積回路などで日本は今も優位性を持つが、自動車やパソコン、携帯電話など中国の対日輸出製品は種類も品質も絶えず向上していると指摘した。
「日中経済協力の強化は米国の関税政策に対応するためだけでなく、投資の流出やアジア経済の空洞化を防ぐためでもある」。武藤氏は、米国が関税を大幅に引き上げる中、多くの外国企業が米国内で直接生産する道を選んで対中投資を減らし、さらにはそれがアジアの産業空洞化を招くのではないかと懸念を表明。「日中間の経済協力、さらにはアジア間の経済協力を一層促進する必要がある」と強調した。
今年に入って訪日中国人観光客がコロナ前の水準に回復し、さらに上回ったことや、中国が日本人に対する短期ビザ(査証)免除を再開したことについては、国民レベルの相互理解を深める上で非常に意義があると評価。中日間の経済協力には高齢者介護やシルバー経済、グリーン(環境配慮)・環境保護などまだ多くの機会があると指摘した。
中日貿易の促進については、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定がアジアでより良い役割を果たせるよう一層推進し、日中韓FTAの交渉プロセスをさらに促進し、第三国市場を共に開拓して両国の共同発展を実現させるとともに、第三国が発展のボトルネック解消できるよう支援していくことを提案した。(記者/郭丹、岳瑞芳、周旋)