「春城」で花開くプリザーブドフラワー産業の中日協力 中国雲南省

「春城」で花開くプリザーブドフラワー産業の中日協力 中国雲南省

新華社 | 2025-03-27 14:13:06

 【新華社昆明3月27日】「春城」(春の都)と呼ばれる中国雲南省昆明市でこのほど、生花を長期保存できるよう加工した「プリザーブドフラワー」に関する学術シンポジウムが開催された。第1回となる今回は、12の国と地域の専門家170人余りが「科学技術がもたらす活力、国際協力、生態系保護」をテーマに意見交換を行い、日本バイオフラワー協会常任理事の長井睦美さんも招かれた。東京と昆明を行き来し、業界に20年余り携わる「プリザーブドフラワー職人」は、専門的な技術と情熱で、雲南で中日花卉産業協力の新たな章を記している。

 長井さんは2004年からプリザーブドフラワー製作液の研究を始めた。日本国内にフラワー教室を100カ所余り開設し、プリザーブドフラワーの普及に取り組み、その技術を日本のフラワーアレンジメントへ取り入れることを推進した。

16日、シンポジウムで参加者にプリザーブドフラワーの技術を紹介する長井さん。(昆明=新華社配信/楊林凱)

 仕事柄、長井さんは早くから雲南省の生花に注目していた。20年以上前に初めて同省を訪れた時には、プリザーブドフラワーを目にすることはほとんどなかった。その後、毎年のように中国を訪問して、花卉産業の動向を観察し、プリザーブドフラワーの技術協力を推進してきた。

 「日本のプリザーブドフラワーを雲南の市場で見かけるたびにうれしくなる。単なる商品の流通ではなく、美と技術の共鳴だから」と語る長井さんは、何年も前から中日協力のさらなる可能性を感じていた。

16日、シンポジウムで参加者にプリザーブドフラワーの技術を紹介する長井さん(奥右から2人目)。(昆明=新華社配信/楊林凱)

 以来、長井さんは何度も中国を訪れ、自らの技術を関連企業に伝授、同省の花卉産業は急速に発展していった。長井さんは昨年、花卉企業の雲南滇芸花卉で従業員向けの技術研修を行った。同社の荀禎泰(しゅん・ていたい)総経理は「お願いをすると長井さんはすぐに飛んできて指導してくれる。私たちは中日の技術を融合させ、プリザーブドフラワーを多くの家庭に届けることを目指している」と話す。同社と長井さんは現在、環境に優しい日本の染色技術と同省の大規模生産の強みを組み合わせ、高級プリザーブドフラワー市場を開拓している。

 今回のシンポジウムで長井さんはプリザーブドフラワー制作を披露し、大きな反響を呼んだ。しかし、長井さんがより心を打たれたのは、シンポジウムが中国政府、研究機関、企業など多方面の力を結集させていることだった。「起業家、植物学者、経済界の人々と出会ったが、全ての人がプリザーブドフラワーをめぐって、共通の目標に向かい情報交換をしていた」と紹介し、こうした分野を超えた結束力が産業の高度化の鍵となると述べた。

16日、関係者とプリザーブドフラワーの技術について交流する長井さん(左)。(昆明=新華社配信/楊林凱)

 同省東南アジア研究会の瞿健文(く・けんぶん)会長は、現在、同省のプリザーブドフラワーの年間生産量は世界の20%を占め、製品は数十の国と地域に輸出されており、長井さんら外国人専門家の参加は産業に新たな原動力を与えていると語った。

 シンポジウムの閉幕にあたり長井さんは「雲南省の花卉産業は熱帯雨林のように生命力に溢れている。将来、より多くの革新的な技術を持ち込み、プリザーブドフラワーを中日友好の常緑樹としたい」と述べた。(記者/孫敏)

プリザーブドフラワー技術を教えるため花卉会社の雲南滇芸花卉を訪問した長井さん(右から2人目)。(2024年10月撮影、昆明=新華社配信)

16日、シンポジウムで参加者にプリザーブドフラワーの技術を紹介する長井さん(奥右)。(昆明=新華社配信/楊林凱)

16日、関係者とプリザーブドフラワーの技術について交流する長井さん(左から2人目)。(昆明=新華社配信/楊林凱)

16日、シンポジウムで参加者にプリザーブドフラワーの技術を紹介する長井さん(右)。(昆明=新華社配信/楊林凱)

16日、関係者とプリザーブドフラワーの技術について交流する長井さん(左)。(昆明=新華社配信/楊林凱)

16日、第シンポジウムで長井さんが贈ったプリザーブドフラワーを受け取る参加者。(昆明=新華社配信/楊林凱)

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