中国雲南省でブルーベリーの生産盛ん 輸出も急増

中国雲南省でブルーベリーの生産盛ん 輸出も急増

新華社 | 2025-03-19 23:09:00

雲南省紅河ハニ族イ族自治州蒙自市草壩鎮の繽紛農業実証拠点の冷蔵倉庫で、包装・出荷を待つブルーベリー。(2月28日撮影、昆明=新華社配信)

 【新華社昆明3月19日】中国ではここ数年、独特な食感と高い栄養価のブルーベリーが人気を呼んでいる。旺盛な需要とともに生産も増え、中でも雲南省は国内生産量の3割を占める主要生産地となり、輸出も盛んに行われている。

 米農業部門の2023年のリポートによると、中国は21年に米国を抜き、世界最大のブルーベリー生産国となった。別の資料によると、24年の栽培面積は110万ムー(約7万3千ヘクタール)を超え、生産量は50万トンを突破、世界で最も急速に成長しているブルーベリー生産国の一つとなっている。

雲南省紅河ハニ族イ族自治州蒙自市草壩鎮にある紅河安美農業科技の冷蔵倉庫エリアで、ブルーベリーを検査する蒙自税関の職員。(2月28日撮影、昆明=新華社配信)

 雲南省は気候や日照、土壌などで優位性を持ち、ブルーベリーの主要産地として独自の地位を確立している。国内の他の地域がオフシーズンの11月から翌5月も市場供給を続けることができる。

 雲南省農業科学院高山経済植物研究所の和加衛(わ・かえい)所長によると、同省は国内に自生するブルーベリーの半数以上に当たる46品種が生育している。昼夜の寒暖差が大きく、日照時間が長く、紫外線照射が強いことから、世界で最もブルーベリー生産に適した地域の一つとなっている。

 同省紅河ハニ族イ族自治州の蒙自市は、ブルーベリーの施設栽培の主要産地であり、栽培面積は3万5千ムー(約2300ヘクタール)に達し、総生産額は30億元(1元=約21円)を超え、2万戸以上の農家に増収をもたらしている。

雲南省紅河ハニ族イ族自治州弥勒市のブルーベリー栽培拠点で、ブルーベリーを収穫する農家の人。(2月23日撮影、昆明=新華社配信)

 同市にとどまらず、紅河ハニ族イ族自治州には24年、国内外のブルーベリー栽培企業100社余りが進出。栽培面積は10万ムー(約6700ヘクタール)を超え、10万人余りの雇用を地元に生んだ。作業員だけでも年間1人当たり2万5千元以上の増収となった。

 雲南省農業農村庁によると、24年の省全体のブルーベリー栽培面積は24万9千ムー(1万6600ヘクタール)、生産量は17万1千トンで、業界の推定生産額は約170億元。うち施設栽培の面積は16万9千ムー(約1万1300ヘクタール)、生産量は14万4千トンだった。

 中国産ブルーベリーは国内の消費需要を満たした後、世界へと市場を広げている。蒙自市の農業企業、紅河安美農業科技の陳燦霊(ちん・さんれい)販売マネージャーによると、同社は今年、マレーシア市場への参入に成功、300トンを輸出する計画だ。

雲南省紅河ハニ族イ族自治州蒙自市のブルーベリー選別加工・コールドチェーン物流パークで、ブルーベリーを選別、包装する作業員。(2月28日撮影、昆明=新華社配信)

 同省澄江市の豊吉農業発展の王瑞(おう・ずい)董事長は「わが社は4日ごとに2トンのブルーベリーをドバイに空輸している。出荷から40時間余りで、ドバイの消費者は澄江のブルーベリーを味わうことができる」と語る。

 昆明税関の統計によると、24年に蒙自税関が監督・管理した輸出ブルーベリーは1425トンで、同時期の全国のブルーベリー輸出量の5割以上を占め、中国1位となった。

 吉林農業大学教授で中国園芸学会小漿果(ベリー)分会名誉理事長の李亜東(り・あとう)氏は「国産ブルーベリーは20年に初めてロシアへの輸出を実現し、現在では10以上の国と地域に輸出されている。将来的な市場のポテンシャルは非常に大きい」と述べた。(記者/吉哲鵬、熊軒昂、曽維)

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