吉林省長春市にある第一汽車集団とトヨタ自動車の合弁会社、一汽豊田汽車(一汽トヨタ)(成都)長春豊越分公司の工場で働く作業員。(1月6日撮影、長春=新華社配信)
【新華社長春3月10日】中国の対北東アジア開放の重要な窓口である吉林省は現在、ハイレベルの開放支援政策を通じ、外資企業による対中投資を促している。
省政府はこのほど、企業に良好な発展環境を提供する「ハイレベル開放をさらに推進するための若干の措置」を発表した。事業体の育成、プラットフォームの改善、市場開拓、業態革新、科学技術・教育交流、観光の海外向け広報、政策協調、投資ルートの円滑化という8項目を掲げ、金融サービスや輸出時の税還付、通関の利便性向上などの支援措置を統合する。
同省長春市にある第一汽車集団とトヨタ自動車の合弁会社、一汽豊田汽車(一汽トヨタ)(成都)長春豊越分公司の工場を訪れると、現代的な工業生産がスピーディーに行われている様子が見られる。生産ラインに並んだロボットアームが機敏に動きながら精密な組み立て作業をこなし、作業員は細部一つ一つにまで見守っている。無人搬送車(AGV)が工場内を整然と行き来し、標準化された「ジャスト・イン・タイム」の物資配送を実現している。一糸乱れぬリズムの中で、新車が1台また1台と迅速に組み立てられ、調整を経て、スムーズにラインオフしていく。
吉林省長春市にある第一汽車集団とトヨタ自動車の合弁会社、一汽豊田(長春)発動機で、監視システムのデータを確認する作業員。(2月6日撮影、長春=新華社配信)
中国における「RAV4」と「ハリアー」の生産拠点である同工場では今、生産作業が急ピッチで進んでいる。一汽トヨタは長く中国に根ざしてきた老舗の中日合弁自動車生産企業であり、現在は東北地域での戦略展開を通じて自らの優位性をより高めるとともに、協力を深める探求を続けている。
東北地域では現在、対外開放レベルが持続的に高まっている。遼寧省と黒竜江省の自由貿易試験区では絶えず制度の刷新が行われ、吉林省長春、遼寧省大連、黒竜江省ハルビン3市の国家級新区ではさらなる開発と開放が進む。中韓(長春)国際協力モデル区、中独(瀋陽)ハイエンド装備製造産業パークの建設も加速しており、魅力を放ち続けている。
吉林省長春市にある第一汽車集団とトヨタ自動車の合弁会社、一汽豊田汽車(一汽トヨタ)(成都)長春豊越分公司の工場で、ロボットアームの支援を受けながら自動車を生産する作業員。(1月6日撮影、長春=新華社配信)
同じく第一汽車集団とトヨタ自動車の合弁会社である一汽豊田(長春)発動機では「春節(旧正月)返上生産」の活気ある状況が今も続く。昨年9月には100万台目のTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)エンジン完成セレモニーが行われた。同社の呂洪明(りょ・こうめい)総経理は「われわれは安全や品質、生産、効率、コストなどの面で優れた業績を生み出した」と振り返った。同社の事例は企業自身の強い実力を示すだけでなく、合弁協力モデルの成功をも表している。
国際協力の成果は、吉林省の強みである自動車産業にとどまらない。例えば、日本の大手商社である丸紅は1996年に長春市に事務所を設立して以来、長年にわたり農産物や食品、貿易などの分野で同省と密接に協力してきた。一部の外国企業関係者からは、東北地域がここ数年北東アジア地域に向けた開放を拡大し続け、インフラやビジネス環境、貿易の利便性が絶えず改善していることから、北東アジアで新興産業やハイテク分野に関する新たな協力の機会を見出し、国際協力や産業の相互補完を実現することへの期待も寄せられている。(記者/邵美琦)