両会から見えてくる中国の「新たな質の生産力」

両会から見えてくる中国の「新たな質の生産力」

新華社 | 2025-03-11 17:33:00

同僚と仕事をする全人代代表の施文美氏(左から2人目)。(2024年2月撮影、湖州=新華社配信)

 【新華社上海3月11日】中国の李強(り・きょう)国務院総理は5日に開幕した第14期全国人民代表大会(全人代)第3回会議に提出された政府活動報告で、地域の実情に合わせて科学技術イノベーションが主導する「新たな質の生産力」を発展させ、現代化産業体系の建設を加速すると強調した。

 全国人民代表大会(全人代)代表で浙江省・湖州太平微特電機研究開発センター主任の施文美(し・ぶんび)氏は「地域の実情に合わせた新たな質の生産力の発展」というテーマに以前から注目し、日常業務の中で実践してきた。

 同社がエレベータードア用モーターからドローン、人型ロボット、ロボット犬用モーターの研究開発・生産までを手がけ、大きく発展してきた過程は、施氏にとって新たな質の生産力を追求する道筋と重なる。

同僚と仕事をする全人代代表の施文美氏(右)。(2024年2月撮影、湖州=新華社配信)

 「当社は現在、爪ほどの大きさのモーターを生産でき、モーター製品の4割はドローンや人型ロボット、ロボット犬などの人工知能(AI)分野で使われている」と施氏は紹介した。

 新たな質の生産力のイノベーションについて、太平微特は10年以上にわたって市場の需要に基づき旧製品の更新と新製品の生産を継続してきた。同社はここ数年、年平均12%の成長を続け、新製品の研究開発に資金を投じ、毎年200件近い新規研究プロジェクトを立ち上げている。現在は千種以上の製品を擁し、うち89点に実用新案権、8点に特許権を持ち、国家級「専精特新(専業化、精細化、特色化、斬新化)」の特徴を備える小巨人企業(大きな成長が見込まれるスタートアップ企業)の第1陣に含まれている。

5日、全人代代表として北京の人民大会堂前に立つ施文美氏。(北京=新華社配信)

 施氏は全人代代表を務めた数年間で「新たな質の人材」育成という問題にも目を向けてきた。これまでに技能人材の社会的地位向上を呼び掛け、今年は技能人材育成で職業教育や家庭での意識改革に重点を置くよう求める提案を全国両会(全人代と中国人民政治協商会議)に携えてきた。

 施氏と同様の見解を持つ全人代代表で、中国核工業建設の高級技能大師、中核検修の首席技能専門家の師延財(し・えんざい)氏は「技能人才の育成は体系的事業であり、政府と学校、企業、家庭が連携して行う必要がある」と述べた。(記者/李平、郭敬丹、岳德亮、許暁青)

4日、全国両会中の滞在先で新聞や雑誌に目を通す全人代代表の師延財氏。(北京=新華社配信)

4日、全人代代表として北京の人民大会堂前に立つ師延財氏。(北京=新華社配信)

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