80年代生まれの全人代代表、科学的農業で村の振興促進 中国吉林省

80年代生まれの全人代代表、科学的農業で村の振興促進 中国吉林省

新華社 | 2025-03-02 10:40:07

ライブ配信プラットフォームを通じて合作社の農産物をアピールする韓鳳香さん。(2月9日撮影、長春=新華社記者/司暁帥)

 【新華社長春3月2日】中国東北部の吉林省ではまだ厳しい寒さが続くが、南西部の四平市梨樹県では、鳳凰山農機農民専業合作社(協同組合)の理事長を務める韓鳳香(かん・ほうこう)さんが朝早くから忙しく作業していた。デジタル技術を使った農業総合サービスプラットフォームで、土壌の状況や気象情報を確認する。「かつての農家は経験を頼りに作業していたが今は科学が頼りだ」と語る。

 今年43歳の韓さんは「80後」と呼ばれる1980年代生まれの若手ながら、全国人民代表大会(全人代)の吉林省代表を務める。生まれも育ちも梨樹県で、実家は先祖代々の農家だ。2008年に大学を卒業後、都市に残って働いていたが、帰省した際に「従来型の農業生産モデルでは現代のニーズにほとんど適応できない」と気付いた。故郷の窮状を解決したい一心で都市での仕事を辞め、土地を集約し科学的に農作業する専業合作社を設立した。

 村では当初、韓さんの考えに懐疑的な声も多かったが、事業の進展につれ、新モデルを歓迎する村民が増えていった。合作社に参加する生産者の規模は立ち上げ時の5人から150人以上に拡大。農地1ヘクタール当たりの穀物生産量は400~500キロ増加し、収入も1ヘクタール当たり2千元(1元=約21円)以上増えた。

合作社メンバーの王春方(おう・しゅんほう)さん、孫鳳傑(そん・ほうけつ)さん夫婦宅を訪ね、春まき用の種子の購入プランを紹介する韓鳳香さん(左端)。(2月9日撮影、長春=新華社記者/司暁帥)

 昨年は村の人々を率いて300ヘクタールの現代農業生産ユニットの建設に挑戦。黒土を保護する新たな農業モデルを採用し、化学肥料の使用量を1ヘクタール当たり約50キロ削減した。新たに導入したスマート農業システムの活用で、作物の成長を遠隔で監視できるようにもなった。ブランド化にも狙いを定め、自社ブランド「韓小丫(ハンシアオヤー)」を立ち上げ、フルーツコーンや圧搾大豆油などの産品をライブコマースで全国市場に売り込んだ。

 全人代の代表に選出されたのは23年。責任の重さを強く感じているという。今年も全人代と中国人民政治協商会議(政協)全国委員会の会議(全国両会)が近づく中、合作社のメンバーを集め、新年への期待や意見を聞いた。「高収量モデルエリアをさらに拡大してはどうか」「スマート農業システムがカバーする土地を広げたい」。メンバーから上がるさまざまな声を韓さんは素早くメモし、全人代への提言に生かしている。

 「地に足の着いた政策があれば、農民の意欲も高まる」。韓さんは「テクノロジー農業、グリーン農業、高品質農業、ブランド農業を発展させ、これからもみんなで現代農業の新しい道を探求し、黒土をより肥沃にし、暮らしを一層豊かにしていきたい」と意欲を見せた。(記者/邵美琦、司暁帥)

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