中国企業、イラクの油田グリーン化に貢献

中国企業、イラクの油田グリーン化に貢献

新華社 | 2025-01-30 13:12:03

   イラク・バスラ県にあるラタウィ油田のバスラ天然ガス処理施設。(2024年12月27日撮影、バスラ=新華社記者/段敏夫)

   【新華社バスラ1月30日】石油・天然ガス資源が豊富なイラクでは関連産業が国民経済の主導的地位を占めるが、環境に配慮したエネルギー開発モデルの欠如や原油の生産時に同時に採取される余剰随伴ガスの焼却などが、南部バスラ県など重要産油地で大気汚染を深刻化させている。中国企業はここ数年、イラクでグリーン(環境配慮型)油田事業の建設を請け負い、現地の高効率かつグリーンなエネルギー開発に寄与してきた。  

   世界銀行の報告書によると、イラクが浪費する天然ガスは毎年170億立方メートルに上る。中国の石油大手、中国石油天然気集団(CNPC)傘下の中国石油工程建設がバスラ県ラタウィ油田で建設するバスラ天然ガス処理施設は、既に最初の随伴ガス処理装置が稼働している。同装置はルマイラ油田、ズバイル油田、西クルナ1号油田の3カ所から回収した随伴ガスから硫黄や水銀、水分などを除去し、1日に乾性ガス約440万立方メートル、液化石油ガス(LPG)2600トンを生産できる。

   イラク・バスラ県にあるラタウィ油田のバスラ天然ガス処理施設。(2024年12月27日撮影、バスラ=新華社記者/段敏夫)

   バスラ天然ガス処理施設の孫保軍(そん・ほぐん)プロジェクトマネジャーによると、同施設で生産される乾性ガスは周辺の発電所に燃料として提供されており、2基目の装置が稼働すると随伴ガス処理能力は年間40億立方メートルに増え、油田の硫化物と二酸化炭素(CO2)の排出が大きく削減される。イラクのアブドルガニ石油相は施設の稼動式で、施設は随伴ガスの焼却による環境汚染を大きく減らすと指摘。イラク経済・社会の発展促進、地元の民生改善、環境保全に重要な意義を持つと評価した。

   ルマイラ油田では、中国石油工程建設により中国の先進的な太陽光発電技術も導入された。ミシュリフ・クライナート原油処理施設に建設された太陽光発電施設は設備容量が1メガワットあり、4メガワットの電力貯蔵システムも併設する。年間発電量は約160万キロワット時に上り、家庭用・業務用電力のピーク時需要をまかなうだけでなく、一部の産業用電力の需要にも対応できる。同発電施設の完成により、ディーゼル発電機による単一的な電力供給モデルが改善され、毎年約1600トンのCO2排出量を削減できるようになった。

   イラク・バスラ県にあるルマイラ油田のトーチ高度化改造プロジェクトの現場で作業する中国側職員。(2024年12月27日撮影、バスラ=新華社記者/段敏夫)

   イラク・バスラ県にあるルマイラ油田のミシュリフ・クライナート原油処理施設に建設された太陽光発電施設。(2024年12月28日撮影、バスラ=新華社記者/段敏夫)

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