巳年の「拝年服」が人気、春節消費の新たな活力に 中国山東省

巳年の「拝年服」が人気、春節消費の新たな活力に 中国山東省

新華社 | 2025-01-29 14:31:00

巳年の「拝年服」を紹介する曹県洛如嫣原創漢服の姚馳行(よう・ちこう)総経理。(資料写真、曹県=新華社記者/王歓)

 【新華社済南1月29日】中国の伝統衣装「漢服」の生産拠点の一つ、山東省菏沢(かたく)市曹県ではここ数年、ファッションなどに伝統文化の要素を取り入れた「国潮」ブームの高まりに伴い、漢服産業が急成長している。2024年に県内で製造された漢服の販売額は、オンラインと実店舗の合計で120億元(1元=約21円)に上り、国内市場シェアは50%を超えた。

 漢服のネット通販を手がける有愛雲倉漢服基地で高い人気を集めるのは、「中国紅(チャイナ・レッド)」と呼ばれる赤い色調と巳年モチーフの図案、金色の漢字の刺繡(ししゅう)を組み合わせた「拝年服」(旧正月に着る服)。県内の漢服メーカーは春節前から巳年の「拝年服」の注文が絶えず、春節消費の旺盛さを反映している。

 県内の漢服メーカー、曹県洛如嫣原創漢服の姚馳行(よう・ちこう)総経理は「巳年にちなんで、拝年服のデザインに蛇のモチーフをふんだんに取り入れた」とし、中国の伝統的なひだ付きスカート「馬面裙」は、蛇柄の刺繡にバラなどのトレンドを加えることでファッション性を高め、普段使いしやすいデザインに仕上げたと語った。

虎や獅子の頭の形をした伝統的な帽子を組み合わせた子ども用の「拝年服」。(資料写真、曹県=新華社記者/王歓)

 曹県には現在、漢服関連の企業が2500社以上あり、オリジナルのデザイン考案から裁断、刺繡、プリントまで整った産業チェーンを形成、起業家たちに大きなビジネスチャンスを提供している。10年以上前、大学を卒業し同県で起業した孟暁霞(もう・ぎょうか)さんは、服飾デザインの専門知識を生かして瞬く間に漢服業界で頭角を現し、昨年の売上高は6千万元に達した。今年の春節に合わせて同社が売り出した子ども用の拝年服シリーズは大好評を博し、市場で話題となっている。

 孟さんは「わが社の子ども用拝年服は赤を基調に、伝統的な織りと刺繡の技術を用いている。おめでたい虎や獅子の頭の形をした伝統的な帽子を組み合わせることで、消費者が春節のお祝いムードを感じられるようにしている」と語った。子ども用拝年服はオンラインでの発売わずか1カ月で千点を売り上げたという。

 国内市場の継続的な拡大に伴い、曹県の漢服企業も漢服産業と伝統文化を深く融合させながら、中国の伝統文化の魅力を世界に発信している。昨年10月、大阪で開催された山東省のプロモーションイベントで曹県の漢服は大きな注目を集めた。シンガポールやスペインなどでも展示販売が行われ、国際的な電子商取引(EC)プラットフォームを通じて海外市場を開拓している。(記者/王歓、李小波)

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