5日、ハルビン氷雪大世界で氷の滑り台を楽しむ子供。(ハルビン=新華社配信/劉洋)
【新華社ハルビン1月16日】中国最北の省、黒竜江省ハルビン市の氷雪テーマパーク、氷雪大世界は昨冬、中国のSNSで冬季観光の「トップトレンド」の一つとなった。統計によると、今年は開園から2週間足らずで前年同期比20%増となる延べ80万4千人超の観光客を集めた。
同市文化観光局の関係者は、ハルビン氷雪大世界の開園から半月が経過した時点で、市全体の累計観光客数は前年同期比21・3%増えたと明らかにした。同市全体の2024年の観光客数は延べ1億7900万人、観光総消費額は2314億2千万元(1元=約21円)に達し、いずれも前年同期比30%超の増加だった。24年12月~25年2月、市全体の観光客総数は前年同期比15%増加し、1カ月後に開幕が控えるアジア冬季競技大会に伴い、「ハルビンTravel」は勢いが増す状態が続くことが見込まれる。
同省牡丹江市にある「中国雪郷」風景区は、氷雪シーズンの到来により、同様に活気付いている。旅先での撮影を楽しむ観光客は、華やかな衣装を身にまとう「お姫様」「騎士」に扮(ふん)して雪に覆われた建物の間を散策し、冬のリゾート地を彩る新たな風景となっている。
5日、大勢の観光客でにぎわうハルビン氷雪大世界。(ハルビン=新華社記者/王建威)
同風景区は、長白山脈の奥地に位置し、今冬は開園から既に観光客40万人超が訪れている。
同風景区関係者によるとここ数年、撮影旅行の人気が上がり続けており、風景区の冬の観光における魅力的な「名刺」代わりになっている。風景区は今年、インフラのさらなる改善を進め、SNS映えするスポットを増設するなど文化・観光産業の新業態を構築する計画という。
中国東北地方全体に目を転じると、氷雪が地元経済の発展に活力を与えている。吉林省では、北大湖スキー場が雪に覆われ、「凍り付く湖に踊る魚の群れ」が魅力の査干(さかん)湖での「冬捕」と呼ばれる伝統漁が中国各地の観光客を引き付ける冬の風物詩となっている。遼寧省では、観光客は「氷雪を楽しみ温泉につかる」精選観光ルートを回り、田んぼに作られた雪の楽園でそり、スノーチューブ滑りを楽しみ、冬の旅行の新体験を味わう。
5日、第41回中国・ハルビン国際氷雪祭りの開幕式。(ハルビン=新華社記者/謝剣飛)
中国観光研究院の戴斌(たい・ひん)院長は、伝統と現代、定番と流行が氷雪の中で見事に融合し、「冷たい資源」の「熱い経済」への変換を推進し、経済、社会の繁栄、発展に「氷の原動力」を与えていると指摘した。
5日にハルビンで開かれた氷雪観光発展大会で発表された「中国氷雪観光発展報告(2025)」によると、24~25年氷雪シーズンにおける中国の氷雪レジャー観光客数は延べ5億2千万人に達し、観光収入は6300億元を超えることが見込まれている。
同報告によると、中国の氷雪観光市場はかつてない活況を呈し、氷雪観光の急速な大衆化、高品質化、デジタルトランスフォーメーション(DX)を後押ししている。氷雪観光ブームの中で、恵まれた氷雪資源を有する中国東北地方は、「雪が金を生む」流れも促進し、経済の新たな活力を解き放つだろう。(記者/楊思琪、楊軒、戴錦鎔)