中国東北地域の「寒冷地グルメ」、観光客の新たな人気の的に

中国東北地域の「寒冷地グルメ」、観光客の新たな人気の的に

新華社 | 2024-12-31 09:27:28

20日、第8回吉林省氷雪グルメ祭りの会場で、東北地域の料理に舌鼓を打つ観光客。(長春=新華社配信)

  【新華社長春12月31日】中国東北地域はここ数年、雪景色やウインタースポーツを楽しむ「氷雪観光」がブームとなり、独特の味わいのある地元グルメも観光客の新たな人気の的となっている。

  吉林省長春市の永興農貿市場(農産品市場)は、氷点下十数度にもなる早朝の寒さを吹き飛ばすほどの熱気にあふれている。売り場にはさまざまな果物や野菜、新鮮なエビや魚が並び、中でも薄い霜をまとった冷凍の梨や柿、黄桃、スモモが目を引く。

  冷凍果物を売る店主の陳毅(ちん・き)さんは「凍らせると果汁がとびきり甘くなる」と紹介し、最近は観光客が増えたため1日の売り上げは普段より数百元(1元=約22円)アップしていると明かした。

11日、吉林省吉林市のレストランで提供されている鍋包肉。(吉林=新華社配信)

  東北地域の冷凍グルメは網羅しきれないほどバラエティーに富んでいる。吉林省集安市では冬の冷凍ブドウが収穫の最盛期を迎え、内モンゴル自治区では冷凍ミルクが観光客の味覚をとらえている。黒竜江省ハルビン市では凍り豆腐や冷凍「粘豆包」(あん入りきびもち)が冬の食卓の定番になっている。

  吉林省松原市前ゴルロス・モンゴル族自治県にある査干(さかん)湖では、年に1度の「冬捕」と呼ばれる伝統漁が盛大に行われており、最初に引き揚げた網だけでハクレン43トンが捕れた。水揚げされた魚は低温環境下で急速冷凍され、高々と山のように積み上げられる。これを作業員らがてきぱきと箱詰めし、大型トラックがひっきりなしにやって来て魚を全国各地へ運んでいく。

  「中国調理大師」の称号を持つ吉林工商学院吉林省飲食文化研究院終身名誉院長の唐文(とう・ぶん)教授は、かつて東北地域の人々が氷雪や低温を利用して食品を保存していた習慣が、独特な食品加工方法へと発展し、東北の食文化の大きな特徴になったと紹介した。

24日、吉林省長春市の永興農貿市場で売られている冷凍梨。(長春=新華社配信)

  東北グルメの魅力は冷凍品だけではない。ガチョウの煮込みや鍋包肉(グオバオロー、東北風酢豚)がしばしば話題になり、「鉄鍋炖(鉄鍋煮込み)」も観光客の「必ず試したい一品」になっている。統計によると、ハルビン市では今年、鉄鍋炖を提供するレストランが新たに200軒以上開業したという。このほか、値段が手ごろで量も十分な「東北弁当」も地元グルメを代表する存在となった。

  吉林省では今年、「魚王コンテスト」「高麗人参鶏スープ大会」「千人鉄鍋煮込み大会」「世界鍋包肉大会」などのイベントが開かれた。今月24日には「2024東北アジアグルメ文化交流ウイーク」が遼寧省瀋陽市で開幕し、「グルメ+(プラス)文化観光+芸術」の深い融合により、東北地域の氷雪グルメが持つ国際的な魅力をさらに高めている。(記者/邵美琦)

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