「中国雪郷」の石碑の前で記念撮影する観光客。(11月17日撮影、牡丹江=新華社配信/王衍竜)
【新華社ハルビン12月17日】中国黒竜江省牡丹江市の雪郷国家森林公園「中国雪郷」風景区は、氷雪の黄金地帯、北緯43度の長白山脈の奥地に位置する。降雪期が長く、良質で粘性のある雪が積もることから、観光客の人気が高い。
今季は開園からわずか半月で、来場者が延べ10万人を超えた。風景区の観光写真業者はここ数年の撮影旅行ブームに乗り、観光客向けに、好みの衣装を着て雪と氷の世界で写真を撮る新たなプランを立ち上げた。
写真店の店内には、欧州風のドレスや中国のさまざまな民族衣装、東北地方の伝統的な花柄の綿入りジャケットなどが数多く並んでいる。店主の朱猛(しゅ・もう)さんは、雪の風景とさまざまな衣装を組み合わせてユニークな写真を撮ることができると紹介し、「風光明媚な大通りで撮影すれば東北風の写真になる。厚く雪が積もった建物はおとぎ話の世界のようで、いい撮影スポットになる」と語った。
「中国雪郷」風景区を散策する観光客。(2月10日撮影、牡丹江=新華社配信/王衍竜)
風景区の責任者は、ここ2年、撮影を目的にやって来る観光客が増えていると紹介。風景区では今年、インフラを更に整備し、人気インフルエンサーのIP(知的財産権)を活用したアクティビティーを増設して、文化観光産業の新業態を構築、氷雪観光の新たな発展ルートを開拓している。
「中国雪郷」と同様に、国内のその他の冬季観光地も豊かな氷雪文化を頼りに、新たな消費シーンを創出し、始まったばかりの氷雪シーズンを勢いづけている。
去年の冬、ソーシャルメディアでトレンド1位になったハルビン市は今年、世界最大の氷雪テーマパーク、ハルビン氷雪大世界(ハルビン氷祭り)に直径約80メートル、面積約5千平方メートルの立体迷路を作り、大人気だった氷の滑り台の数を16本から24本に増設した。氷像や雪像には、来年2月に同市で開幕する冬季アジア競技大会の要素が取り入れられている。
「中国雪郷」風景区の夜景。(11月10日撮影、牡丹江=新華社記者/劉昊東)
中国で11月11日の「独身の日」に合わせて行われる大規模なネット通販セール「双11(ダブルイレブン)」では、今年、氷雪消費が力強い伸びを示した。複数のオンラインショッピングサイトや旅行サイトによると、ウインタースポーツ用品に注文が殺到し、氷雪観光の検索数と予約数も急増した。中でも、電子商取引(EC)大手アリババグループ傘下の通販サイト「天猫(Tモール)」では、ダウンジャケットやスキーなどの人気スポーツ用品の取引額が前年の3・0倍となった。
黒竜江省氷雪産業研究院の張貴海(ちょう・きかい)院長は「氷雪スポーツの普及と氷雪経済の発展をサポートする政策・措置が絶えず調整され、中国の氷雪経済は大きな発展の可能性がある」と期待した。(記者/楊軒、劉奕彤)
3日、第26回ハルビン氷雪大世界の建設現場。(ハルビン=新華社配信/殷忠偉)