【新華社深圳12月5日】中国広東省でこのほど、11・7トン分のペルー産ブルーベリーが深圳湾口岸(通関地)での迅速通関を経て、2時間以内に華南地域最大の果物集散地である広州市の江南青果卸売市場に到着し、直ちに中国各地へと運ばれていった。
ペルー産ブルーベリーは毎年秋と冬に中国にやってくる。南半球では季節が逆になることを利用しており、中国市場での売れ行きも好調で、中国はペルー産ブルーベリーの第2位の輸出先となっている。
深圳は香港に隣接し、成熟した水上輸送産業があり、運賃が安いなどの強みを持っていることから、ペルー産果物を取り扱う企業の多くが香港を経由し、深圳を中継地とする輸入を行っている。統計によると、ペルー産ブルーベリーは10月に通関の繁忙期に入り、深圳のペルー産ブルーベリー輸入量は前年同期比54・3%増の5400トン、輸入額は80・6%増の4億2100万元(1元=約21円)となった。
ブルーベリーは腐敗しやすいという特徴があり、通関の際は適時性に対する要求が高い。このため、深圳湾税関は通関の所要時間を最大限短縮することで、果物の新鮮さと安全性を確保している。
中国南部に位置する深圳のほか、華東地域の上海、華北地域の天津などもペルー産ブルーベリーの輸入シーズンを迎えている。
北部最大の総合港である天津港は先ごろ、中南米地域の太平洋側と大西洋側の主要港湾につながる直行航路を3航路開設した。うち天津港と南米を結ぶ直行航路は「水果快線(フルーツエクスプレス)」と呼ばれている。今年9月18日には第1便となるペルー産ブルーベリー11・7トンがこの航路を使って天津港に到着した。ペルー産ブルーベリーが北部の口岸(通関地)から輸入されるのは初めてだった。
ペルー・リマのチャンカイ港で走行する電動スマートコンテナ運搬車。(11月14日撮影、リマ=新華社記者/李夢馨)
11月にペルーの首都リマで開かれた第31回アジア太平洋経済協力会議(APEC)非公式首脳会議の期間中、ペルーのチャンカイ港が正式に開港し、同国産のブルーベリー、ブドウ、アボカドなどの果物を積んだ大型客船がチャンカイから上海に至る新時代のアジア・中南米陸海新ルートに沿って中国に向かった。
チャンカイ港の開港に伴い、南米からアジアまでの貨物輸送にかかる時間はこれまでの約30日から約20日に短縮され、物流コストも大幅に引き下げられる見通し。(記者/王豊)