古鎮の照明器具売り場で製品を選ぶバイヤー。(広州=新華社配信)
【新華社広州12月4日】中国広東省中山市古鎮鎮は名実ともに「照明器具の町」である。この面積が50平方キロにも満たない小さい町には照明器具の経営主体(企業や事業者)が3万社余り集結する。販売量は国内市場の70%を占め、製品の輸出先は130以上の国・地域に広がり、世界シェアは50%に上っている。
古鎮鎮の照明産業は1980年代に始まった。中国香港特別行政区に隣接するという地の利を生かし、地元の村民が香港から持ち帰ったサンプルをまねて照明器具の生産を始めた。それを発端に、部品の組み立てや工場での加工から次第に大規模な生産へと発展してきた。
古鎮国際灯飾博覧会を見学する来場者。(広州=新華社配信)
1990年代には生産規模の拡大に伴い、古鎮鎮の営業員は中山市、珠江デルタ(広州・仏山・肇慶・深圳・東莞・恵州・珠海・中山・江門9市)を飛び出して全国、さらに世界へと進出し、「明かりを持って世界の果てまで行く」ことが当時の町特有の光景となった。産業発展を推進するため、地元政府も「照明器具通り」を整備し、博覧会を連続開催したことで、同鎮の照明器具の知名度が日に日に高まり、地元の代名詞となり始めた。
「無」から「有」、「小」から「大」へと、今や古鎮鎮は世界で最も産業チェーンが充実し、生産規模が大きい照明器具産業集積地の一つとなっている。
古鎮の照明器具売り場で製品を選ぶ顧客。(広州=新華社配信)
小さな明かりから産業クラスターへ、小さな町から「照明器具の町」へと、同鎮のイノベーションの歩みが止まることはなかった。今はスマート化、デジタル化にまい進し、ハイテクでカスタマイズされた製品が新たなトレンドとなりつつあるほか、多くの科学技術イノベーション能力を持つ企業が生まれて発展し、先行者を追い越して大きくなりつつある。
「明かりを持って世界の果てまで行く」から「世界から買い、世界へ売る」に至るまで、同鎮の照明産業では一貫して「奮闘」と「イノベーション」がキーワードとなっている。今年9月末時点で鎮内のハイテク企業数は126社、「専精特新(専業化、精細化、特色化、斬新化)」の特徴を備える企業は18社、デジタル化とスマート化を進める企業は148社を数え、ハイテク企業の研究開発者数は約1500人に上る。
中科竜祥科技の照明器具生産拠点。(広州=新華社配信)
同鎮は中国国際照明器具デザインコンテストや中山市工業デザインコンテストの古鎮照明器具デザイン部門などの開催を通じ、人材を発掘するとともに、工業デザインの製品化も促している。
鎮工業情報科技商務局の担当者によると、今後は照明産業チェーンの補強をめぐり、戦略的新興産業の誘致に力を入れ、リーディングカンパニーに連動して川上・川下企業の成長モデル転換と高度化が進むことを通じ、照明器具の国際競争力を全面的に高めていく。