26日、インタビューを受ける上野動物園の富田恭正副園長。(成都=新華社記者/董小紅)
【新華社成都11月28日】中国四川省成都市で26日、「人と自然の調和と共生」をテーマとしたパンダや自然の保護に関する国際会議「2024グローバルパンダパートナー大会」が開幕した。世界各地のジャイアントパンダ保護専門家、各国の在中国大使館・領事館職員、地方政府代表、動物園の責任者、パンダ愛護家、グリーン(環境配慮型)企業代表などがパンダの故郷で踏み込んだ意見交換を行った。
上野動物園の富田恭正副園長は「パンダは日中友好の懸け橋で、日本の人々に広く愛されている」と指摘。同動物園のパンダが広く知られ、ここ2年は年間約350万人がパンダを見に来園しており、日本だけでなく世界各国の観光客も大勢いると紹介した。
26日、2024グローバルパンダパートナー大会に参加する上野動物園の富田恭正副園長。(成都=新華社配信)
東京都は2010年、中国野生動物保護協会と協定を締結。上野動物園は中国ジャイアントパンダ保護研究センターと共同で、パンダの保護、野生動物保護活動の発展促進を目的とした「ジャイアントパンダ保護研究実施の協力」プロジェクトを展開した。
同協定の下、雄のパンダ「リーリー(中国名「比力」)」と雌の「シンシン(中国名「仙女」)」が11年、上野にやって来た。2頭の間には17年に雌の「シャンシャン(香香)」が、21年には雄「シャオシャオ(暁暁)」と雌「レイレイ(蕾蕾)」の双子が誕生した。
26日、2024グローバルパンダパートナー大会に参加する上野動物園の富田恭正副園長。(成都=新華社記者/李倩薇)
健康上の理由により、リーリーとシンシンは今年中国に帰国した。富田副園長は、2頭の最後の一般公開日には、午前9時半の開園時間より1時間以上前の8時20分の時点で2千人余りが入園待ちの列に並んでいたと振り返った。
上野動物園には現在、3歳になる双子のシャオシャオとレイレイがいる。富田副園長によると「動物園で相変わらずとても人気がある」という。
26日、2024グローバルパンダパートナー大会でパフォーマンスを披露する中国と外国の若者たち。(成都=新華社配信)
富田副園長は、パンダは単に動物種の一つではなく、世界の絶滅危惧種の代表でもあるので、パンダの絶滅危険度が絶滅危惧種から危急種へ引き下げられたことは非常に重要で、これは中国や世界の「パンダパートナー」が獲得した段階的な成果だと指摘。「パンダ保護分野での日中の協力は、保護、繁殖、病気の予防・治療の面で好ましい成果を上げ、一方では日本国民に動物保護の重要性をより強く認識させた。これはとても意義のある成果だ」と述べた。
パンダだけでなく、中日はトキの保護でも協力している。中国から贈られたトキの「ヨウヨウ(友友)」「ヤンヤン(洋洋)」により日本のトキの個体数は大幅に改善し、気候変動対策や生物多様性の保全にも積極的な役割を果たし、世界の野生動物保護の成功例となっている。
かつて日本のトキ保護プロジェクトの専門家だった富田副園長は「中国との協力により、日本のトキの個体数は再び良好な状態に回復しており、この友好協力関係は非常に重要だった」と述べ、両国が引き続きトキ保護分野でさまざまな交流、協力を行っていってほしいと期待を示した。上野動物園も中国ジャイアントパンダ保護研究センターとパンダ保護分野での意思疎通、協力を継続的に強化していくと表明した。(記者/李倩薇、董小紅)