黒竜江省海林市北部で見つかった隕石クレーター。(資料写真、ドローンから、海林=新華社配信)
【新華社北京11月25日】中国の北京高圧科学研究センターはこのほど、中国の科学者が初めて山の尾根上で隕石(いんせき)クレーターを発見したと明らかにした。研究成果は英文学術誌「極限条件下における物質と放射」(MRE)に掲載された。
これまで地球上では、米国アリゾナ州のバリンジャー・クレーターやオーストラリアのウルフ・クリーク・クレーターなど、200以上の隕石クレーターが発見・確認されているが、中国で発見されたクレーターは極めて珍しい。
新たに発見された海林隕石クレーターは、黒竜江省海林市北部の山々の中に位置する。特徴的なのは、このクレーターが山の尾根に形成されていることで、直径は1360メートルに達し、楕円(だえん)形のちり取りのような形をしている。クレーターの縁の最も高い地点と最も低い地点の高低差は100メートル以上あり、まるで長白山の支脈の張広才嶺の尾根に掛けられた大きな漏斗(ろうと)のように見える。
海林隕石クレーターは、中国の地質史の中で起きた大規模な天体衝突によって残された地質学的痕跡に属する。クレーター発見者の1人で同センター研究員の陳鳴(ちん・めい)氏は「この衝突は約数十万年前に発生した。野外での地質調査と地質サンプルの検査を通じて、私たちはこの『小盆地』で衝突の作用に関わる一連のマクロおよびミクロの地質学的証拠を発見し、これが地球外小惑星の衝突によって形成された地質構造であると確認した」と述べ、海林隕石クレーターは一定程度の侵食を受けた一部を除き、全体として良好な状態で保存されていると説明した。
これは、中国の科学者が国内で発見した4番目の隕石クレーターとなる。(記者/張漫子)