「下向き」の成長 中国都市の発展支える地下空間

「下向き」の成長 中国都市の発展支える地下空間

新華社 | 2024-11-22 16:19:12

深圳地下鉄崗廈北(こうかきた)駅の巨大な地下空間に外光をもたらす巨大な円形の天窓「深圳之眼」。(9月22日撮影、深圳=新華社記者/梁旭)

  【新華社北京11月22日】都市の地下空間は貴重な国土資源、都市の立体化と質の高い発展を実現する重要な基礎であり、中国でもここ数年、複数の都市で大規模な地下空間の開発利用が模索されてきた。

  広東省深圳市では今年2月、黄木崗交通ハブプロジェクトの地下空間が全面開通し、主要な出入り口が利用者を迎え入れた。同市はここ数年、交通ハブや重点駅、商業ビル群など人が密集する地域の地下空間の開発を進め、鉄道と総合施設の一体化を実現。空間開発を集約的、効率的なものにした。

北京市の稲香湖再生水施設の作業エリア。(北京=新華社配信)

  北京市海淀区の稲香湖再生水施設は同市初の庭園式地下再生水施設で、全地下構造を採用している。従来の土地利用の概念を覆し、縦方向の空間を利用することで用地を7割以上節約した。施設の主な処理設備建屋はいずれも地下16~18メートルに設けられ、複数のレベル、段階のバイオ消臭システムで汚水を処理する。再生水は河川に清潔な水を補給するだけでなく、行政が道路の清掃・緑化に用いる水や企業が生産に使う水の確保にも利便性をもたらしている。

  河北省雄安新区は大規模な地下空間の開発利用を進める都市の一つで、従来の都市に見られる縦横に交錯する電線がなく、上下水道や電気、ガス、暖房、通信などを収容する高品質な共同溝が都市の生命線となっている。

河北省雄安新区スタートアップエリアの市政道路の建設現場で、施工作業に当たる作業員。(4月23日撮影、雄安=新華社記者/牟宇)

  中国都市規画学会の梅耀林(ばい・ようりん)常務理事は「地下空間を利用した都市総合防災体系づくりは、新情勢下の安全で粘り強い発展の新たな方向性になっている」と指摘。地下空間は強靭(きょうじん)な都市づくりの最前線であり、合理的な開発・利用を通じて地上と地下の防災空間を統一的に配置し、都市全体の防災・減災能力を高めることができるとの考えを示した。

  中国の大多数の都市の地下空間は現在、主に地下交通とライフラインに利用されている。データによると、2022年末の都市地下空間の累計延床面積は29億6200万平方メートルで、なおも巨大な開発余地を残す。

  地下空間は都市発展の重要な成長の極となっている。都市の地下空間の科学的な計画と合理的な利用は都市の質の高い発展を推進する重要な道筋であり、都市の持続可能な発展と近代化の実現に多くの可能性をもたらす。(記者/沈氷潔)

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